日本共産党

2004年3月31日 衆議院 経済産業委員会 日本共産党 赤嶺政賢議員

中小企業金融公庫法 中小企投資組合法「改正」案 反対討論

 私は、日本共産党を代表して、中小企業金融公庫法及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。

 反対理由の第一は、本法案が、中小公庫がこれまで担ってきた中小企業向けの長期、固定、低利の融資支援という役割を縮小、後退させるものだからです。

 政府は、政策金融改革の中で、政策金融の貸出残高を将来的に半減するとしています。中小公庫の融資についてもその例外ではありません。民間金融機関の中小企業向け貸し出しが激減し、改善の見通しは立っていません。中小企業の資金調達に中小公庫が役割を発揮することが求められているときに、その役割を縮小、後退させることは、中小企業の願いに逆行するものです。

 第二は、今回、中小公庫に追加される証券化支援業務が、民間金融機関に一方的に有利な制度となっているからです。

 我が党は、証券化支援そのものを否定するものではありません。しかし、本法案が想定しているスキームは、本来民間金融機関がみずから負うべきリスクを中小公庫に負わせるものとなっています。これでは、中小公庫の中小企業向け貸付事業を圧迫し、一般貸し付けの金利上昇など、中小業者に不利益を与えるおそれがあります。

 第三は、旧繊維法から引き継いだ繊維振興基金等の廃止により、繊維産地に対する国の支援を放棄するものだからです。これでは、地域経済をますます疲弊させるものと言わざるを得ません。

 次に、中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律の一部改正案についてです。

 我が党は、青年業者の創業、ベンチャー企業や新規事業の振興を極めて重視しております。しかし、現行の中小ベンチャーファンド法は、ベンチャーキャピタルにとって役立っただけで、中小業者にとって役立ったとは言えません。その十分な検証がないまま、今回、中小企業支援の目的を法律から削除したことは重大です。

 本法案は、リップルウッドなどの外資系のハゲタカファンドや我が国の大銀行、大手証券会社、独立系の投資会社などの買収ファンド、事業再生ファンドがハイリスク・ハイリターンを追求し、二重課税を回避するための法整備であります。これら内外のファンドの実態は、無限定に容認するわけにはいきません。

 また、こうしたリスクの大きな投資ファンドを年金基金の受け皿法案とすることも、そのまま容認するわけにはいきません。

 投資ファンドの普及のためには、公正な証券ルールと公平な税制の整備が少なくとも並行して行われるべきであります。本法案はこれらの条件を満たしておらず、とにかく、先に投資ありきの法案であり、賛成できません。

 以上申し述べて、反対の討論を終わります。


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