2004年3月30日 参議院 国土交通委員会 日本共産党 大沢辰美議員
私は、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
今、どこの地方経済も落ち込みは深刻です。大型店の郊外立地で地方都市の中心部が空洞化する、また高度成長期に誘致した企業が海外に移転したり、リストラによって工場閉鎖される、栃木県の足利銀行の破綻に見られるように、地域金融の機能も衰えています。
地方経済と地方都市の活性化は緊急の課題であり、地方の衰退に歯止めを掛け、成長、発展の足掛かりになるよう国、地方公共団体が支援をすることを当然のことであると思います。
ところが、本法案は第一に都市再生といいますが、例えば今までのまちづくり三法ではほとんど効果のなかった中心市街地活性化対策は、今回のまちづくり交付金でも活性化を取り戻すことができないということです。中心市街地再生化事業が成功していないことは質疑の中でも明らかになりました。三位一体改革の補助金制度の廃止のために、名前を交付金に変えただけで、事業の内容は基本的には変わらないからであります。
反対の理由の第二は、あちこちの地方都市で破綻ないしとんざしている都市再開発事業や土地区画整理事業を解決するものにならないからであります。保留床や保留地が売れない、売れても価格が低いのでとても事業費が補えないという問題に全くこたえていないからであります。
第三に、地方が策定した都市再生整備計画にまちづくり交付金を支給するかどうかは、結局、国土交通省が決めることになり、市町村や住民の創意工夫が生かせるまちづくりにはならないことであります。
この三つの点の根本にあるのは、国の基本姿勢が全く変わっていないということであります。すなわち、国が税財源は握って離さず、つまり税金は今までと同じように国が徴収し、それを国の政策に合うように地方に配分するというやり方が全く変わっていないことなんです。これでは補助金を交付金に変えただけで、地方自治体の自主性と裁量性を拡大したものではありません。財源を移譲し、文字どおり地方の自主性を任せることこそが住民の望むまちづくりであることを指摘して、反対討論を終わります。