日本共産党

2004年3月26日 衆議院 予算委員会 日本共産党 林紀子議員

2004年度予算案 反対討論

 私は、日本共産党を代表して、二〇〇四年度政府予算三案に対する反対討論を行います。

 反対する第一の理由は、今後十数年にわたる際限なき年金保険料の引上げや庶民増税など、連続負担増予算だからです。

 小泉内閣発足以来、四兆七千億円もの負担増と給付削減に加え、新たに二兆五千億円以上、合計七兆円もの負担増が強いられることになります。

 特に、年金制度の大改悪は、今後十四年間にわたって毎年七千億円も引き上げられ、給付は実質的に史上初めて引き下げられます。国民年金は今でも平均受給額月四万六千円なのに、更に一五%も引き下げられることは、生存権保障の憲法原則を踏みにじるものです。基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げ、年金積立金を計画的に取り崩し、雇用の拡大などで年金の担い手を増やすことこそ年金改革です。

 地方財政の三位一体改革として福祉や教育のための国庫補助負担金を大幅に縮減、廃止し、地方交付税の圧縮と合わせて三兆八千億円も国から地方への財源を切り捨てる一方、税源移譲は削減額の一二%にすぎません。地方への税財源の移譲と財源調整機能としての地方交付税制度の原点に立ち返るべきです。

 反対する第二の理由は、大企業奉仕や公共事業の浪費の仕組みは温存しながら、国債の新規発行は二年連続史上最高となり、財政破綻を進めるからです。
 税収は歳出総額の半分にすぎず、国債の新規発行は三十六兆五千九百億円、国、地方の長期債務は合わせて七百十九兆円と、財政悪化は目を覆うばかりです。関西国際空港二期工事などには多額の予算が計上され、未整備の高速道路もほとんど建設されるなど、無駄な浪費構造は正されていません。
 大企業は輸出と大規模なリストラで史上最高の利益を上げても、国民にその実感はありません。政府が進めてきた規制緩和、労働法制の改悪によって正社員は減少し、低賃金で不安定な雇用者に置き換えられています。若者のフリーターも急増し、深刻な社会問題となっています。こんなことを続けては、国民の暮らしの向上、景気回復は望めません。各地で発生した鳥インフルエンザに対しては、法改正も含め、国の責任でその対策に万全を期すべきです。
 反対する第三の理由は、イラク占領や弾道ミサイル防衛システムのように、アメリカの軍事戦略に日本を一層組み込む予算であり、憲法九条を改悪する策動とも軌を一にしたものだからです。
 イラク戦争を開始して一年が経過しましたが、大義とした大量破壊兵器は発見されません。大量破壊兵器があると断定し、イラクへの自衛隊派兵を強行した小泉内閣の責任は重大です。
 今なお戦争状態が続いている他国に重火器で武装した自衛隊を派兵し、アメリカの占領支配へ合流、加担することは、憲法が禁ずる武力・交戦権の行使に当たることは明らかです。国際社会が行うべきことは、米軍主導の軍事占領をやめ、イラク国民に主権を返還し、国連中心の枠組みで復興支援することです。自衛隊は直ちに撤退すべきです。
 また、北海道警察などによる捜査費などを流用した組織的な裏金作りが次々と明らかになりましたが、調査はなおざり、捜査もされていません。第三者の外部監査制度を実施すべきです。
 今求められているのは、社会保障、雇用・中小企業対策など、景気回復と国民生活防衛のための予算の拡充です。
 このことを強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手)


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