2004年3月5日 衆議院 財務金融委員会 日本共産党 佐々木憲昭議員
私は、日本共産党を代表し、3案に対する討論を行います。
まず「公債発行特例法案」に反対する理由を述べます。
本法案は、来年度予算で30兆900億円もの赤字国債を発行するためのものであります。これによって国債依存度は44.6%となり、当初予算としては過去最悪を記録します。歳入のほぼ半分を借金でまかなう異常な財政運営であるにもかかわらず、大型公共事業や軍事費をはじめ、巨額の浪費の構造にはメスが入れられないままとなっております。このような政府の財政政策の根本的な転換が必要であります。
同時に、本法案には、国民年金などの事務に対する国庫負担の停止を延長する特例が盛り込まれております。これは、本来、国が負担すべきものであり、年金加入者に負担を求めることは認められません。「財政構造改革法」が凍結されているもとで、年金事務費の国庫負担の停止だけが続けられるのは不当であります。
以上の理由から、本法案には反対であります。
つぎに「所得税法等一部改正案」に反対する理由を述べます。
本法案は、昨年度の税制改悪が決めた、今年から本格的に始まる庶民増税に加えて、老年者控除の廃止など、いっそうの負担増を国民に押しつけるものであります。
社会保障等の改悪もあわせて総額7兆円にのぼる負担増は、家計消費をいっそう冷え込ませ、景気を後退させるものであり、認められません。
本法案による老年者控除の廃止や公的年金者等控除の縮小は、65歳以上の高齢者に、年間で約2400億円にものぼる新たな負担を強いるものであります。公的年金等控除の縮小は、介護保険料や健康保険料の負担増に連動するなど、生活苦が拡大している高齢者に対して、雪だるま式に痛みを押しつけるものとなります。このような改悪は認められません。
一方で、大企業向けには、欠損金の繰越控除の延長や、連結付加税廃止による法人税軽減など、減税の恩恵を与えています。昨年措置した1兆円を超える減税が続くもとで、さらに減税を上乗せする手厚さであります。土地取引や株式投資信託等の取引など高額所得者向けの優遇策も盛り込まれています。
大企業と高額所得者には減税を重ね、家計には増税を押しつける小泉内閣の「抜本的税制改革」を押しすすめる本法案には断固反対であります。
なお、民主党提出の「修正案」については、消費税の総額表示を廃止することなど、国民に対して一定の負担軽減となるものであり、賛成することを述べ、討論といたします。