日本共産党

2004年2月10日 参議院 予算委員会 日本共産党 紙智子議員 

(会議録未定稿版より引用)

2003年度補正予算案三案 反対討論

 私は、日本共産党を代表して、二〇〇三年度補正予算案三案に対して反対の討論を行います。

 本委員会の審議によっても、小泉内閣がイラク戦争を支持する大義や自衛隊派兵の論拠は明白に崩れ去りました。政府の内部文書で、派兵決定に都合の良い先遣隊報告書が作られていたことも明らかになりました。虚構とごまかしによって憲法違反の自衛隊派兵が強行されたことは絶対許されません。派兵の撤回をまず要求して、以下、本案に反対する具体的な理由を述べるものであります。

 第一の理由は、本補正予算にイラク復興支援経済協力費として一千百八十八億円を計上していることです。

 これは昨年十月、アメリカ・ブッシュ政権の要求に応じ十五億ドルの無償資金を拠出するとした政府方針に基づくものです。政府・外務省の説明でも、この無償資金協力の半分以上は、CPA、米英占領軍による暫定行政当局が実質的に支配するイラク暫定統治評議会などを通じて提供されるとしています。このような資金提供は、米英軍による不法な占領に加担し、それを固定化させるものであり、断じて許せません。

 反対の第二の理由は、本来、国債や借入金の返済に優先的に使うべき前年度剰余金三千八百七十四億円全額を本補正予算の財源に充てていることです。しかも、歳出の中には、このイラク関連費と自衛隊の海外派兵にかかわるPKO分担金、沖縄米軍演習の本土移転に伴うSACO関連経費などが含まれています。

 国の公債残高四百八十三兆円という未曾有の財政危機の下、剰余金は規定どおりに借金の返済に充当するのが筋ではありませんか。財政法に特例を設けてまで剰余金の全額を補正に繰り入れることは、財政破綻を更に深刻化させるものです。

 さらに、本補正案が国家公務員給与を引き下げた昨年の人事院勧告実施に基づく公務員給与等の不用額などをも財源にしていることであります。国家公務員給与引下げは、公務員、家族の生活に影響を与えるだけでなく、個人消費の低迷による不況をますます長引かせることにつながるものです。無駄な公共事業や軍事費などを温存する一方で、このような国民への痛みの押し付けは許されません。

 以上の点を申し上げ、私の反対討論とします。(拍手)


会議録の未定稿版(確定でないもの)から引用しています。今後、削除、訂正が行われる場合もあります。


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