日本共産党

「テロ特措法延長案」 反対討論

 2003年10月3日 衆議院 テロ特別委員会 日本共産党 大森 猛 議員 

私は、日本共産党を代表して、「テロ特措法一部改正案」に対し、反対の討論を行ないます。

 テロ特措法は、9・11テロに対し、アメリカがはじめた報復戦争を支援するため、自衛隊を海外に出動させるという、明白な違憲立法であり、その延長は、断じて許されません。

 反対理由の第1は、戦争でテロをなくすことはできず、かえってテロの土壌を拡大するからです。
 報復戦争から2年、アフガニスタンの現状は、きわめて深刻です。いまだにビンラディンは拘束されておらず、アルカイダのネットワークもなくなっていません。それどころかタリバンの再結集が伝えられ、新たなテロ組織の拡大さえ伝えられているのであります。国連の支援組織や国際的な支援団体が撤退を余儀なくされる事態となっており、アナン国連事務総長は、安保理に対する報告で、治安状況の悪化に対し深刻な警鐘を鳴らしています。まさに、テロと戦争の悪循環に陥っていると言わざるを得ません。今こそ、国連が主体となった司法と警察の国際協力という道に切り替えるべきであります。

 第2に、テロ特措法の下でインド洋に派遣された自衛隊が一体どのような米軍支援を行ってきたのか、政府がいっさい明らかにしていないことは重大です。
 派遣された自衛隊補給艦が、イラク戦争に参加する米軍を支援していたという脱法行為が明らかになっています。イラク空爆を行なった空母キティホーク艦長や米海軍の機関誌が、海上自衛隊の補給艦から給油支援を受けていたことを明らかにしているのであります。また、情報公開請求で公開された海上自衛隊司令官の報告書の中には、小泉首相が「行なっていない」と答弁してきた「捜索救助活動」に関する記述が存在し、その内容は、黒く塗りつぶされ、政府はいっさい説明を行なっていません。
 自衛隊の活動実態をあきらかにせず、脱法行為をあいまいにしたまま、法を延長するなど、もってのほかであり、断じて許されません。

 最後に、米英の占領支配を支援する、自衛隊のイラク派兵に強く反対する立場を表明して、討論を終わります。


日本共産党/国の政治

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