日本共産党

「昭和の日」法案 反対討論 (大要)

2003年7月16日 衆議院 内閣委員会 日本共産党 吉井英勝議員

 私は、日本共産党を代表して、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。

 反対の第一の理由は、先の天皇の誕生日を「昭和の日」として国民の祝日にすることは、戦前の侵略戦争と暗黒政治の反省にたって打ち立てられた憲法の国民主権・平和・民主主義の原則をふみにじるものだからです。

 提案理由では、昭和という「この時代を象徴する四月二十九日を、昭和を記念する『昭和の日』とする」としています。

 しかし、先の天皇は、みずからが国の全統治権を握る政治体制のもとで侵略戦争を推し進め、国の内外に未曾有の惨禍をもたらした最高責任者です。この最高責任者の誕生日を「国民こぞって祝い、感謝し、記念する」国民の祝日にすることは、憲法の平和的民主的原則をふみにじるものです。

 反対の第二の理由は、新憲法のもとで定められた祝日法の理念に真っ向から反するものだからです。

 戦前、天皇は神聖にして侵すべからずとした体制のもと祝祭日は、宮中行事、国家神道に結びついたものでした。戦後、新憲法が制定され主権は国民に移り、祝祭日も宮中中心から、国民の祝日と変わりました。

 先の天皇の誕生日を「昭和の日」とすることは、こうした祝日法の理念と歴史の流れに逆行するだけでなく、この時代に対する国民の多様な認識を無視し、国民が容易に納得し参加できる日という祝日の選定基準にも反する愚行と言わなければなりません。

 反対の第三の理由は、国民の祝日は、国民生活や国民感情と密接につながり、将来長く実施されるものであり、慎重な法案審議がおこなわれるべきですが、その審議が極めて不十分だからです。

前回、参院でおこなった参考人の意見聴取もおこなわず、わずか二時間足らずの審議で採決を強行することは、国民の祝日という事柄からしても、また国会審議の形骸化をいっそう深めるという点からも、きわめて遺憾な事態であることを指摘し反対討論を終わります。


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