私は日本共産党を代表して、ただいま議題となりました、地方独立行政法人法案および同法施行法案にたいして反対の討論を行います。
反対理由の第1は、住民への行政サービスを、自治体の手から地方独立行政法人に移行させることは、経済効率優先の評価制度、法人の恣意的な判断による事業縮小や廃止などを通じて行政サービスの低下、縮小あるいは廃止につながるという重大な問題点をもっていることです。
そもそも、この制度の対象とする事務事業は本来公的責任で、確実に実施されることが必要な事業であります。
反対の第2の理由は、地方独立行政法人の運営や監督について、地方自治の重要な柱である地方議会の関与をはずし住民訴訟や住民監査制度の適用外とするなど地方自治制度を形骸化させる重大な問題点をもっていることです。
さらに、この制度は利用者かつ主権者である住民のチェック機能が奪われるという重大な問題点があります。情報公開に関する規定はなく自治体任せになっており、住民監査請求なども及びにくくなり、住民参加によるチェックや民主的にコントロールすることが困難となります。その結果、汚職腐敗が生まれやすく、新たな利権となる可能性さえあります。
反対の第3の理由は、公立大学の法人化についてです。公立大学の法人化は学問の自由の基盤を著しく侵害し、高等教育・学術研究機関としての大学の発展に障害となり、大学の役割を歪めるものであります。
反対の第4の理由は、この地方独立行政法人への移管にあたって、自治体労働者の意思を全く考慮せず条例によって移行するとの仕組みが取り入れられ、自治体労働者の身分変更や労働条件変更が一方的に行えることは不当な制度であるからであります。こうしたことは、雇用不安を招き、自治体行政の安定性をそこなうことにつながります。
以上で、私の反対討論を終わります。