私は、日本共産党を代表して、日本郵政公社法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
本法案は、日本郵政公社の郵便貯金資金等の運用方法にコール資金の貸し付けと投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託会社への信託をつけ加えるものであります。
反対の理由は、現在膨大な損失を出している株式運用の仕組みを前提にして、その運用方法を拡大するものだからであります。
郵貯・簡保資金による株式運用は、昨年九月末で七兆六千億円の含み損を抱えており、ことし三月末にはそれがさらに拡大し、日本郵政公社全体を債務超過状態に陥れかねない事態であります。にもかかわらず、こうした運用実績に関する明確な総括がなされておりません。
しかも、質問で明らかになったように、運用の失敗を加速させたPKO運用に関しても反省がありません。ことし四月に発足した日本郵政公社は、これまであった国会の予決算による縛りさえなくなっており、これまでの総括、反省なしに、これだけの損失を生んでいる株式運用の運用方法の拡大を認めるわけにはいきません。
また、コール市場は、日銀による超金融緩和のもとで縮小を続けており、資金運用先として魅力がなくなっているだけでなく、短期金融市場としても十分に機能しなくなっており、郵貯・簡保資金の出番がないのも明らかです。
改めて、郵貯・簡保資金の安全確実な運用を求めまして、反対討論を終わります。(拍手)