日本共産党

公益法人「改革」厚生労働省関係法案の反対討論

2003年6月13日 衆議院 厚生労働委員会 日本共産党 大森 猛議員

 私は、日本共産党を代表して、公益法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案について反対の討論を行います。

 もともと国民が求める公益法人改革とは、天下りの禁止や官業癒着の解消、公益法人の事業や財政の透明性と健全性を確保するというものでした。ところが、本法案では、国が公益法人に委託している検査・検定業務の事務について、指定制度から登録制度に変更するというだけのものになっています。改正六法案を見ても、指定制のもとでも既に民間企業が参入していたり、登録制に移行する必然性が乏しいものなどが数多くあり、国民が公益法人改革に寄せた期待を裏切るものであると言わざるを得ません。

 むしろ、この間、本委員会の論議では、輸入食品の検疫制度を現行の指定検査機関制度から登録検査機関制度に置きかえることで、民間企業の参入を認めることになり、その結果、本来国が負うべき検疫検査制度の信頼性を大きく損なう危険性があることが指摘されたところであります。

 さらに、行政改革推進事務局提出の「公益法人制度についての問題意識」で指摘された、公益法人が公務員の再就職先として安易に用いられていることに関連して、本委員会でも、雇用促進事業団や雇用・能力開発機構などの事業運営の乱脈ぶり、高級官僚の天下りと高額な退職金、役員報酬などが論議されましたが、この問題についても、本法案は全く解決策を示すものとなっていません。

 以上のように、本改正案が、天下りや官業癒着の排除、法人事業の透明性や健全性の確保という国民の求める抜本的な公益法人改革とはほど遠い内容であることを指摘して、反対の討論といたします。(拍手)


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