私は、日本共産党を代表して、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
生物多様性の確保は、人間生存の基盤であり、世代を超えた安全性、効率性の基盤です。種の保存法は、そのための法体系の中核をなすものです。
しかし、現行法は極めて限られた種の捕獲や取引を規制するだけにすぎず、生物多様性を確保し得る仕組みにはなっていません。また、多くの野生動植物が種の保存法にも指定されないまま絶滅のおそれが広がっています。
ところが、本改正案は、ワシントン条約で禁止されている国際希少野生動物種の商業取引に関する登録認定事務を民間の登録機関に拡大するというものです。これまでの指定法人でさえ不十分だった登録審査が、本改正案により一層厳正さを欠くことが危惧されます。本来、国際的な責務の履行に関する事務は国が直接行うべきものです。日本は、象牙やべっこうなど希少野生動物を商業的に利用する国として国際的な批判を招いており、このような規制緩和は認めることができません。
種の保存法は野生動植物が絶滅のおそれに至らないようにすること、既に絶滅のおそれがある野生動植物が特別の保護対策を必要としないまでに回復することを目標にして、真に有効な保護、回復策を講ずるよう抜本的に改正、強化すべきです。
このことを強調して、反対討論を終わります。