日本共産党

独立行政法人都市再生機構法案の反対討論

2003年6月12日 参議院 国土交通委員会 日本共産党 大沢辰美議員

 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人都市再生機構法案に対して反対討論を行います。

 本法案は、都市公団を廃止し、都市再生の名による民間企業の開発支援を機構の業務の中心にする一方で、目的にあるように、新たな賃貸住宅建設は行わず、民間の賃貸住宅の供給支援を行おうとするものです。

 反対理由の第一は、政府は特殊法人改革の整理合理化計画で都市公団の非効率、非採算を挙げましたが、問題は、バブル崩壊後も引き続いて土地取得を続け、三千ヘクタールを超える未利用地、その中でも七百ヘクタールに及ぶ塩漬け土地、これを保有していることです。改革されるべきは、この赤字を生んでいる、このような非採算、非効率の事業を整理することです。本法案はこれらの業務を機構の中心にするとしています。やるべきことが逆さまで、改革とは言えないものです。

 第二に、公団住宅には七十万の世帯の方が、そして二百万人以上の居住者が生活しています。しかも、高齢化が進んでいます。居住者が安心して住み続けられるとともに、若い世代も含めたバランスの取れた地域社会を作ることが求められています。すなわち、賃貸住宅の充実と拡大であります。

 採算の点でも、賃貸部門は黒字です。経営は健全です。ところが、本法案は新たな賃貸住宅供給から撤退するとしています。これは、国と公団の本来の責任という点でも、採算という点でも居住者と国民の願いに反するものです。

 高齢者、子育て世代の居住の安定を確保するためにも公共住宅の役割は一層大きくなっています。ファミリー向け賃貸住宅の充実、拡大は、公団を始めとする公的責任で行うなど、今後更に充実させ、そのことを、あるべきことを主張して反対討論といたします。

 よろしくお願いします。


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