日本共産党

学生支援機構法案、海洋研究開発機構法案の反対討論

 2003年6月6日 衆議院 文部科学委員会 日本共産党 児玉健次議員

 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本学生支援機構法案並びに独立行政法人海洋研究開発機構法案の両案について、反対討論を行います。

 反対理由の第一、日本学生支援機構法案は、特殊法人等整理合理化計画を受けて日本育英会を廃止し、他の学生支援業務と統合して新たな独立法人を設置するとしています。この措置は、現在、関係法案が審議中である国公立大学、高専の法人化と同時に実施されます。大学法人化は大学学費の値上げを招きかねないものです。それにあわせて効率化、経費節減を優先する独立行政法人に奨学金事業をゆだねることは極めて大きな問題です。

 反対理由の第二に、従来の連帯保証人制度のほかに、今回、機関保証制度を設け、貸与を受ける学生が保証料を支払うこととしています。これは、保証料等の新たな負担を学生に強い、民間信用情報機関への個人情報の提供などの問題を生み出すものであり、容認できません。

 第三に、教育・研究職につく大学院生の返還免除職制度が廃止され、「優れた業績を挙げた」大学院生への卒業時の返還免除が導入されます。これは返還免除制度の大きな後退です。「優れた業績」の基準も明らかにされず、大学院での自由濶達な研究活動を阻害することが危惧されます。

 反対理由の最後に、高校奨学金事業を都道府県に移管するとしています。高校奨学金は、不況が進行する中、希望者が急増しており、国が引き続き責任を負うべきです。

 次に、海洋研究開発機構法案についてです。

 科学研究においては、研究とその評価には長い時間が必要です。中期目標の設定とその評価は、研究テーマの萎縮をもたらし、海洋科学研究の自由な発展を困難にするものです。また、これまで築かれてきた大学研究者と研究船乗組員との一体的な協力関係を損なうものです。

 以上の理由から両案に反対を表明し、討論を終わります。(拍手)


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