私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
密集市街地は、狭い敷地に目いっぱい建てられた住宅が連なり、その多くが老朽化しています。また、居住者の高齢化も際立っています。商店街も、衰退を象徴する店舗の歯抜け現象も見られ、もはや、個々の対応、努力だけではこれらの問題を解消できず、行政が手を差し伸べ、災害に強いまちづくりを進めることは、すぐれて今日的課題であります。私たち日本共産党は、そのために必要な施策、予算措置は、当然必要と考えています。
しかしながら、この法案には反対せざるを得ません。
その理由は、改正案では、事業会社や組合が事業を施行する場合は、所有権者、借地権者の三分の二以上の同意要件を規定し、三分の一の権利者の反対があっても事業を進めることができるとしていることです。三分の二の同意要件はほかにもありますが、事は人間の生活基盤であり、基本的人権でもある住宅の問題であり、乱暴な措置と言わざるを得ません。
しかも、改正案では、事業会社が防災街区整備事業の施行を行えるようにしましたが、これは、小泉内閣が進める都市再生事業と一体となって行われようとしていることから見ても、借地借家人など弱者が切り捨てられる条件が一層生まれることになりかねません。現に、都市再生のもとで、その町に住み続けたいという従前居住者が、その町から追い出されるという事態が続いています。
今、多くの密集市街地で事業が長期化しています。その最大の問題は、住民要求を軽視するトップダウン方式にあります。私は、借地借家人も含めた多くの人々が合意できるような制度を構築することが必要であることを強調して、反対討論といたします。
以上です。(拍手)