私は、日本共産党を代表して、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部改正案に対して反対の討論を行います。
そもそも化審法は、産業用に製造された新しい化学物質について、製造前に事業者の責任でその物質の性状を明らかにし、難分解性、高蓄積性、長期毒性のものは製造禁止とするなど、毒性に応じた規制を行うというものであります。
ところが、本改正案は、新規化学物質であっても、その使用、管理方法等によって環境を汚染するおそれがないと判断される場合には、毒性審査を免除し、毒性が不明なままで産業用に大量の製造、使用ができるようにしています。しかも、その場合には、事業者の事後的な毒性情報提供義務も外されています。これでは、すべての新規化学物質についてその毒性審査を経なければ製造等を行うことができないという化審法の基本的な枠組みに、大きな穴があくことになります。
毒性審査の免除は日本経団連の要望であり、産業界のコスト負担の軽減から出ていることは、審議の中でも指摘しました。産業界の要求を優先し、規制を緩和することは、PCBに代表される化学物質による被害、汚染を後追いしてきたこれまでの教訓をむだにしかねないものです。
以上が、本改正案に反対する理由です。
最後に、本改正案のうち、環境中の動植物に及ぼす影響を審査対象にすること、事業者が製造開始後に入手した有害情報の提供義務を定めることなどは、積極的な改正として評価できるものであることを表明して、討論を終わります。