私は、日本共産党を代表して、密集市街地における防災街区の整備促進に関する法律の一部改正案に対して反対の討論を行います。
密集市街地の多くは、東京の例に見られるように、住宅としての受皿が不十分なまま、高度経済成長政策などにより、人口の一極集中、それなどの結果であります。高度成長から約四十年たった現在でも、防災対策の遅れや都市機能の整備等がいまだに改善されていないことは重大であります。
この問題の最も早い解決の基本方向は、そこに住んでいる住民の合意と理解、納得であります。しかし、本法案は、この点で重大な問題を含むものとなっています。
以下、反対理由を申し上げます。
第一に、本案は、宅地所有者及び借地権者の三分の二以上が同意し、その面積が区画の三分の二以上あれば事業施行のための組合又は事業会社を結成できることとしています。これでは、三分の一の地権者などが同意をしない場合でも事業が進められることになります。三分の一の住民の意思が切り捨てられるというやり方は余りにも乱暴であります。これは一人や二人の反対ではなく、三分の一、あるいは権利変換では四九%ということになるわけであります。
第二に、この権利変換との関係でありますけれども、反対の権利者の意見書提出、これが認められるといっても、最終的には過半数の多数決によって決定されます。この計画は個人の財産を左右する重大な決定ですが、これが五一%以上の賛成で決まると、四九%の住民の意見が無視される場合もあり得るということであります。この点でも余りにも乱暴な決め方であります。
私は、密集市街地の整備はまちづくりの基本である計画段階からの住民参加、理解と納得に基づいて行うことを基本に据えることを主張し、討論といたします。
以上であります。
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