私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本学生支援機構法案並びに独立行政法人海洋研究開発機構法案の両案について、反対討論を行います。
日本学生支援機構法案の反対理由の第一は、特殊法人等整理合理化計画を受けて日本育英会を廃止し、他の学生支援業務と統合して新たな独立法人を設置するとしていますが、育英会を廃止すべき客観的な根拠は示されず、国民の教育を受ける権利を保障する事業である奨学金事業を効率化や経費削減を優先する独立行政法人にゆだねることは極めて問題だということであります。
第二に、従来の連帯保証人制度のほかに、今回新たに機関保証制度を設け、貸与を受ける学生が一定の保証料を支払うこととしています。しかし、機関保証制度の導入で、奨学生の長期にわたる奨学金返済が教育ローン化へと進み、民間信用情報機関への個人情報の提供など新たな問題を生み出すことです。
第三に、教育・研究職に就く大学院生の返還免除職制度が廃止され、優れた業績を上げた大学院生への卒業時の返還免除の導入がされることは、返還免除制度の大きな切下げであり、大学院生には大きな打撃となるものであります。
第四に、高校奨学金事業を都道府県に移管するとしていますが、国としての事業がなくなるのは問題です。高校奨学金は、不況が進行する中、その希望者は急増しており、その充実が望まれています。今回、一定期間経過後は完全移管となり、国の責任放棄となることは明らかです。
次に、海洋研究開発機構法案についてです。
科学研究においては、研究とその評価には長い時間が必要です。中期目標による成功が必要条件とするならば、安易な評価による研究中断や研究テーマの萎縮をもたらし、科学研究の自由な発展を阻害するものとなり、また採算性が評価基準となれば、産業に直結しない基礎研究が軽視されることになります。これまで築いてきた研究者と船員の一体的な協力関係も崩されかねないことなど、独立行政法人化にはなじみません。
以上の理由から両案に反対を表明し、討論を終わります。