日本共産党

電気ガス事業法案「改正」案に対する反対討論

 2003年5月14日 衆議院 経済産業委員会 日本共産党 佐々木憲昭議員

 私は、日本共産党を代表して、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案に対する反対討論を行います。

 反対理由の第一は、本法案が、一部企業の利潤追求の利便を図るために一般国民に負担をさせるものだからです。

 本法案は、電力、ガスの小売事業への新規参入を促すために、電気の振りかえ料金廃止など、新規参入者、電力会社、大手ガス会社など自由化部門の供給事業者にとっての送電網、導管網の利便を図るものです。振りかえ料金の廃止に伴い、振りかえ料金相当分が送電線利用料金としてすべての需要家の電気料金に上乗せされ、一般家庭などもその負担をかぶることになります。新規参入の増加に対応して必要となる送電網、導管網の強化あるいは結果として過剰となる電力会社の発電設備の維持、これらの費用は電力会社の電気供給原価に含まれることになり、総括原価方式のもとにある規制部門の電力料金を押し上げ、一般家庭など小零細需要家にも負担させられることになります。

 第二に、これらの新規参入促進策により、大口需要家をめぐる新規参入者と電力会社、ガス会社あるいは電力会社同士やガス会社同士の競争が激しくなれば、発電所や送電網、導管網など長期的見通しに立った設備投資が抑制され、将来的な安定供給基盤が確保されないおそれがあるからです。既に、自由化が始まって以来、電力会社、ガス会社は、人員削減、投資抑制、さらには修繕費まで抑制しています。この現状に危惧を持たざるを得ません。

 第三に、一般ガス事業者すべてに託送供給義務を課すことは、公営を含む中小ガス会社までが大手ガス会社や大口供給に参入している電力会社などとの競争にさらされることになり、結果としてその経営基盤が不安定になり、一般家庭を含む需要家に影響が及ぶおそれがあるからです。

 第四に、国家資金による発電所建設などを行ってきた電源開発株式会社を民営化し、自由化されている発電市場に投入することは、国民の財産を民間大企業の営利事業とする、電力版官業払い下げともいうべきものだからであります。

 以上、反対理由を述べて、討論を終わります。(拍手)


このほかの討論 → 【討論一覧】 (156通常国会 2003年 1/20〜)

経済産業委員会の質問と討論の一覧】 【5月14日の質問一覧


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