日本共産党を代表して、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別法の一部を改正する法案について反対の討論を行います。
本四公団債務処理法に反対する第一の理由は、この法案は、過大な需要予測による採算の見通しのない大型公共事業、そのツケを何の反省もなく国民に押し付け、税金で処理するというひどい破綻処理法案だからです。
国民的に批判の強い大型公共事業の破綻の責任や今後の見通しを国民の前に明らかにすることは最低限の責任であると思います。ところが、本法案の審議では、一兆三千億円もの税金が新たに投入されるにもかかわらず、その責任の所在、経営方針、通行料金問題など、今後の見通しも明らかにされず、債務を国民負担で処理することだけが明らかになりました。このような政府と与党が申し合わせた国の道路特定財源による早期処理だけを具体化することは余りにも拙速で無責任であり、容認できるものではありません。
第二に、本四公団が新会社に移行するに当たって、国民には負担を押し付け、新会社の営利を保障する道を開くことになるからです。
本四公団の債務処理は、民営化推進委員会でも避けて通れない問題でした。閣議決定された道路四公団の民営化の内容が明らかにならない段階で国民負担による債務処理だけが先行的に決めれば、身軽になった新会社の営利は保障されます。その一方で、地方と国民には新たな負担を求められるものですから、だれのための特殊法人改革なのか明らかだと思います。だから、この点については賛成できません。
次に、直轄高速道路建設法案についてです。
反対理由の第一は、無駄な高速道路建設にやはりブレーキが掛からないばかりか、歯止めのない高速道路建設に道が開かれるからです。
採算性の見通しのない高速道路建設は見直すべきというのが国民の私は世論だと思います。しかし、この法案は、残りの二千百四十五キロをすべてを建設するため、新会社が建設できない路線を直轄事業として建設するためのもので、総額三兆円という金額も目安にしかすぎないことも議論を通して明らかになりました。今必要なことは、高速道路全体計画について検討するために凍結すること、そして国幹会議で、その場所において採算性とか、その点を考慮した見直しを行うことだと思います。
第二に、国の直轄事業に伴う地方負担が増やされたために、地方分権の私は方向性にも反するというものだからです。
直轄の高速道路の場合、この法案によって地方の意見を聴くことになりますけれども、あくまでも意思決定の主体は国であり、国が使途を事実上定めている現在のやり方を変えるものではありません。しかし、特定財源の地方移譲を行うところで、決定過程に地方の意思が反映されなければ、地方の自主性を保障することにもなりません。この法案が地方に対して国の押し付け公共事業の温床になることも私は危惧されます。
日本共産党は、国民と地方に重大な負担をもたらすこの各道路関連二法案については反対をいたします。議員の賛同、よろしくお願いいたします。
以上です。
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