私は、日本共産党を代表して、独立行政法人環境再生保全機構法案及び日本環境安全事業株式会社法案に対する反対の討論を行います。
まず、独立行政法人環境再生保全機構法案に反対する第一の理由は、公健法に基づいて行われている公害健康被害者への補償及び予防事業が、特殊法人の公健協会から独立行政法人に移管させることにより、公害健康被害者の救済と公害予防に対する国の責任を弱め、本来、国が直接責任を持って安定的に運営されるべき補償・予防事業の縮小、後退をさらに推し進めることになるからです。
第二に、公健法に基づく健康被害予防事業について、独立行政法人に移管され効率化が追求されれば、各種事業の縮小やサービス内容の低下を招くおそれがあります。
第三の理由は、環境事業団が保有している債権の管理、回収、とりわけ、長引く不況のもとで苦境に立たされている中小事業者の遅滞債権については、経営状況に見合った対応が必要ですが、効率化が追求される独立行政法人に中小事業者の遅滞債権が継承されれば、事務的、機械的な管理、回収が行われるおそれがあるからです。
次に、日本環境安全事業株式会社法案に反対する第一の理由は、PCB廃棄物処理が処理手数料を徴収して必要な経費を賄う収益事業であるため、特殊会社として所管組織の温存を図ったからです。しかし、環境事業団から特殊会社に移行されても、環境事業団での事業と何ら変わるところがなく、処理費の軽減等、事業の効率化が保証されるわけではありません。
第二に、特殊会社が環境事業団から継承するPCB廃棄物処理事業は、PCBの製造・使用事業者の処理責任を肩がわりするもので、適当ではなく、国の公共関与によるPCB廃棄物処理施設整備事業として、関係住民の合意を軽視して推し進められている実態があるからです。
以上で、独立行政法人環境再生保全機構法案及び日本環境安全事業株式会社法案に対する反対の討論を終わります。