私は、日本共産党を代表して、政府提出の酒税法等一部改正案及び与党提出の酒類小売業者緊急措置法案並びに同修正案に賛成の討論を行います。
まず、政府提出の酒税法等一部改正案についてです。
本法案は、ことし九月からの人口基準廃止による販売規制全面撤廃、自由化は推進する一方、これまでの規制緩和万能路線の中で社会問題となった未成年者飲酒防止等に資する販売管理体制の整備など、最低限の社会的規制を講じようとする一定の改善策であり、それ自体は容認できるものであります。
第一に、未成年者飲酒防止法、暴力団、刑法犯などで罰金以上の刑に処せられた業者を、酒類販売業免許の付与を拒否できるようにする、この人的要件の整備は妥当な措置です。
第二に、未成年者への酒類販売防止等を徹底させるため、酒類の表示に関する命令規定の整備、店舗ごとに酒類販売管理者を置くことを義務づけ、法律を遵守した適正な酒類の販売管理を確保する等の体制の整備は必要であり、賛成するものです。
次に、与党提出の酒類小売業者緊急措置法案と修正案についてです。
本法案は、規制緩和万能路線を推進する中で、既存の零細中小酒販店が経営難に瀕するもとで、約二年間の時限立法という限界はありますが、過当競争で赤字の酒販店が多数を占める緊急調整地域を市町村単位で指定し、一年間は域内で酒販小売免許を新たに出さない、経営改善や転廃業に必要な措置を講じる、独禁法上の不公正取引に対する監視強化などを行う等、一定の中小酒販店に対する打撃を軽減しようとするものであり、賛成であります。
ただし、本法案は、法案の目的を「規制緩和の円滑な推進に資する」としていることは問題であり、党としては、そのことには賛成できない旨を表明します。
日本共産党は、現行の酒類小売免許制度の必要性を主張し、政府の進める、経済的規制は撤廃、社会的規制だけにとどめるとした規制緩和万能路線に一貫して反対してきました。我が党は、地域に重要な役割を果たしてきた零細中小酒販店の営業を守る立場から、需給調整要件廃止の中止を初め、不当廉売や差別取引の横行を根絶させること、コンビニなどでの酒の深夜販売の禁止など、酒類市場での公正な取引ルールの確立をあくまで主張し、私の討論を終わります。(拍手)