日本共産党の赤嶺政賢でございます。
私は、日本共産党を代表して、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
本法案は、防衛大綱、ガイドラインのもと、さらには自衛隊による対テロ戦争支援や有事法制の法制化など新たな情勢の展開を踏まえ、自衛隊の役割の拡大と米軍が海外で起こす戦争への支援態勢づくりを一層進めるためであり、反対であります。
第一に、陸上自衛隊に新編するゲリラ、特殊部隊対処の専門部隊、特殊作戦群は、防衛出動時だけでなく、治安出動下令前の情報収集や警護出動、在外邦人救出などの事態であってもその出動は可能であります。警察機関が第一義的に対処すべき治安維持分野での任務、武器使用権限の拡大など、自衛隊の役割を拡大しようとする動きと一体となった部隊の態勢強化にほかなりません。
第二に、第五師団の旅団化は、一定の定数削減を行うものの、高機動車や軽装甲機動車の導入などにより機動力や情報収集能力を高めた部隊への組織改編を進めたもので、周辺事態やPKOなどにも対応し得る陸上自衛隊の態勢づくりを進めるものであります。自衛官定数の変更には、第十師団の火力、人員面からの増強を図った戦略機動師団への改編も含まれています。
第三に、防衛局次長の新設は、内局の体制を強化することにより、有事法制の法制化や防衛大綱の見直しに向けた検討を加速しようとするものであります。
最後に、統合幕僚会議の増員には、統合運用計画室、統合運用訓練支援班の新設が含まれています。これは、昨年十二月に統合幕僚会議がまとめた「統合運用に関する検討」成果報告書を踏まえ、陸海空自衛隊の統合運用化に向けた検討体制の拡充を図るものであります。
一九九〇年代に入り、自衛隊は、PKOや対テロ戦争支援など海外への出動と米軍支援を繰り返してきましたが、今度は、その効率的な運用のためとして、統合運用を基本とする態勢への移行を進めようとしています。自衛隊の海外出動と日米共同作戦の本格的な実行態勢の構築に向けた一歩を踏み出そうとするものであり、容認できません。
以上、反対討論を終わります。
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