私は、日本共産党を代表して、二〇〇三年度政府予算三案に反対の討論を行います。
アメリカはイギリスとともにイラクへの攻撃を開始しました。この戦争で罪なき市民が毎日命を奪われています。これは国際の法と正義に反するものであり、世界の圧倒的多数の国々が努力してきた平和解決の道への最悪の挑戦です。戦争開始後も一層大規模に広がっている戦争反対の世界の世論に対する挑戦でもあります。この戦争で世界と日本の経済が被る打撃への不安も高まっています。
私は、この暴挙を厳しく糾弾するとともに、攻撃を直ちに中止することを強く要求します。同時に、小泉内閣と与党三党が武力攻撃支持を直ちに撤回することを強く求めます。
政治と金をめぐる問題では、坂井衆議院議員の逮捕、大島農水大臣の疑惑など、政治腐敗は後を絶ちません。少なくとも、公共事業受注企業からの献金を禁止することは当然です。
以下、政府予算案に反対する理由を述べます。
反対する第一の理由は、社会保障の改悪と庶民増税で国民に莫大な負担増を押し付けるものだからです。
医療、年金、介護、雇用保険など、社会保障の負担増と給付削減で二・七兆円、発泡酒やワインの税率引上げ、配偶者特別控除の廃止、消費税の免税制度縮小など、庶民増税は一・七兆円、合計、年間四・四兆円の巨額に達します。一方、先行減税は黒字企業や一握りの大資産家にしか適用されず、大多数の国民には無縁なものです。
とりわけ深刻なのは、医療費の負担増です。四月からサラリーマン本人の医療費負担が三割に引き上げられれば、受診抑制による国民の健康悪化が広がりかねません。三割負担の凍結などを求め、国民の反対は大きく広がっており、野党四党は共同で健康保険本人三割負担凍結の法案を提出しましたが、与党はその審議さえ拒否し、世論に背を向けています。
反対の第二の理由は、必死で日本経済を支えている中小企業への対策予算を前年比で七・一%も減額した上、不良債権処理の加速により更に深刻な打撃を与えるからです。
政府の不良債権処理の方針によって、銀行は自己資本比率維持のために貸しはがしを強め、金利引上げに走り、この結果、不況の中で頑張ってきた優良企業までもが倒産などの窮地に追い込まれています。期限を切って無理やり不良債権を処理するやり方を改め、銀行本来の機能を復活させる金融政策に戻すべきです。
反対する第三の理由は、失業者への給付を大幅に削減したり、一般離職者への給付日数を短縮するなど、失業者に対して余りにも冷たいものだからです。
三百六十万人もの失業者が職を求めているのに、雇用の現場では、異常な長時間労働のため過労死が増え、違法なサービス残業が横行しています。サービス残業の廃止で九十万人、残業をすべてなくせば二百六十万人の雇用が増えるとの試算もあります。サービス残業と過労死のない社会にすべきです。
予算案に反対する第四の理由は、税金の無駄遣いである公共事業や軍事費などが温存されていることです。
関西空港第二期工事や諫早湾干拓、川辺川ダムなど、国民の厳しい批判を受けているにもかかわらずそのまま続行されており、到底容認することはできません。
私は、日本の経済も財政も破綻させ、国民に痛みを押し付ける小泉構造改革を直ちに中止し、国民生活の再建こそ今、切実に求められていることを強調し、討論を終わります。(拍手)