日本共産党

漁業協同組合合併促進法「改正」案に対する反対討論

2003年3月27日 参議院 農林水産委員会 日本共産党 紙 智子議員

 私は、日本共産党を代表して、漁業協同組合合併促進法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。

 漁業や漁協経営の厳しさは大変深刻です。その打開の一つの選択肢として、漁協合併はあり得ると思います。その合併の規模、つまり一県一漁協か、広域的なものか、あるいは小規模なものかについては、もとより内部の組合員の判断で決めることであります。私たちが問題にし、反対するのは以下の点からであります。

 第一に、延長を求める漁協合併促進法は、国と都道府県による合併計画への指導、助言を義務付け、実際の協議についても助言、指導の文言を盛り込んでいます。しかも本法は、合併の基本構想、基本計画という基準をクリアする広域的な大型合併を対象に推進するもので、自主的な多様な合併をも広く対象にするものではありません。

 これは行政の関与を強め、行政の力で一定の基準にかなった合併の押し付けに道を開くものであり、賛成できません。現にこの間、行政当局が合併の推進や、あるいは合併をにらんで漁協の体制や経営内容に対し介入を強めているのは問題です。

 合併は組合員が決めるものとして、民主的な協議を大切にしているところも見られます。協同組合としてのやり方を保障すべきであって、行政主導になりかねない本法の延長には反対です。

 第二に、行政の支援策について、合併促進法は合併漁協に漁業振興施策の事実上の優先実施を盛り込んでいます。これは同一の水産施策において、合併か非合併かによって差別を持ち込み、公正公平な水産行政を損ねるものであります。

 また、合併漁協に対する施設整備助成や借入金の利子補給、あるいは税制の特例措置についても、法律上、行政が認定する合併についてのみ対象であり、すべての合併に適用されるものではありません。合併規模、内容が当局の基準に合うかどうか、それによって助成策の差別を行うのは問題であります。

 以上の理由で、私は、合併促進法の延長という本案に反対するとともに、合併によってしか活路がないような状況に漁業者を追い込むのではなく、輸入規制や資源管理対策、経営支援など展望の持てる国の水産施策の拡充を求め、反対討論といたします。


このほかの討論 → 【討論一覧】 (156通常国会、2003年 1/20〜)


農林水産委員会の質問と討論】 【3月27日の質問一覧


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