私は、日本共産党を代表して、政府提出の社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に反対、民主党提出の公共事業基本法案に賛成の討論を行います。
今回の法案は、六百三十兆円に及ぶ公共投資基本計画を初め、全国総合開発計画、二十一世紀の国土のグランドデザインや各種の長期計画などに基づいて進められてきた数十兆円にも上る公共事業のむだや浪費が、国、地方の深刻な財政破綻、環境破壊を引き起こしていることへの国民的批判の高まりなどを背景に出されてきたものであります。
しかるに、今回の法案は、こうした公共事業をめぐる国民の批判に正面からこたえるものとなっていないのであります。
以下、法案ごとに反対の理由を申し上げます。
まず、社会資本整備重点計画法についてであります。
反対の第一の理由は、今回の改正によってもなお、実際のむだと浪費を改める仕組みがないことであります。長期計画の一本化など、改革が強調されていますが、首都圏移転構想や幾つもの巨大海峡道路構想などを含む全国総合計画との整合性を引き続き求めるなど、不要不急の超大型公共事業の推進方式にメスが入れられておりません。これでは、むだと浪費を改めるものにはつながりません。
第二は、重点計画の基本理念に掲げられている国際競争力の強化などの強調は、結局都市再生への公共投資の重点化など、大企業、財界の要求にに沿った公共事業の再編をやりやすくするものだからであります。
第三に、重点計画の策定に当たり、従来同様に国会承認を必要とせず、加えて五年ごとの延長の必要がなくなるなど、計画内容のチェックが困難になることは極めて重大であります。
次に、社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案についてであります。
本法案で改正される法案の中で、特に問題なのは、道路特定財源の根拠法である道路整備緊急措置法の改正です。そもそも、社会資本整備重点計画では、従来のように事業量を目標としないとしつつ、一方で、実質的に道路特定財源を使って行われる道路事業の事業を定める仕組みを残すことで、浪費を生む仕組みを温存していることであります。
最後に、民主党提出の公共事業基本法案は、従来の事業費総額明示方式になっていますが、政府案に比し、今日の公共事業にかかわる問題点に対応するものになっており、我が党議員への答弁の中でも、ダムの見直しや公共事業費縮減を予定していること、また、関空二期工事、中部国際空港についても中止をも含む再評価の仕組みがあることを明確にしていることを考慮し、賛成するものです。
以上をもって、討論を終わります。(拍手)