私は、日本共産党を代表して、二〇〇三年度政府予算三案に反対、野党共同提出の予算組み替え動議に賛成の討論を行います。
この間の審議で明らかになったことは、小泉内閣が、イラクをめぐる国際問題でも、経済や雇用、政治と金をめぐる国内問題でも、ことごとく民意に逆行する政治姿勢を際立たせてきたということであります。
これらの重大問題が山積するにもかかわらず、与党が採決を強行しようとすることは許されるものではありません。私は強く抗議するものであります。
以下、政府予算案に反対する理由を述べます。
反対する第一の理由は、社会保障の改悪と庶民増税による国民に莫大な負担増を押しつけ、国民生活と日本経済に破壊的な否定的影響を及ぼすものであるからであります。
医療、年金、雇用など社会保障の改悪によって年間二兆七千億円もの負担増と給付の削減、さらに発泡酒の税率引き上げ、配偶者特別控除の廃止、消費税の免税点引き下げなどの庶民増税を合わせると四兆四千億円もの負担増となるではありませんか。サラリーマン標準世帯で見ると、リストラ、賃下げなどで実収入が大きく減少していることを含めると、年間二十六万二千円もの購買力が奪われることになります。
反対理由の第二は、政府が言う二兆円減税が、研究・投資減税や相続税の最高税率の引き下げなど、黒字の大企業や資産家にだけ恩恵が及ぶという内容になっているからです。
その一方で、日本経済を土台で支えている中小企業対策費は、前年度当初比で七・一%も減額し、二十五年も前の一九七七年度と同額の水準にまで落ち込んでいるのが実態であります。深刻な雇用問題に対しては、最悪の失業率をさらに悪化させることを前提に、加えて労働法制の重大改悪ももくろむなど、雇用失業問題をますます深刻にするものであり、絶対に容認できません。
反対理由の第三は、公共事業や軍事費など浪費が指摘されている分野は相変わらず温存していることであります。
三・九%削減したという公共事業に至っては、帳簿上のからくりによる水増し数字にすぎません。むしろ、二〇〇二年度補正と一体となった十五カ月で見ると、公共事業費は大幅に増額されています。このように、むだな公共事業の温存と拡大の結果、当初予算としては最高の三十六兆五千億円も国債発行で賄うことになり、借金依存の国家財政をさらに深刻化させているのであります。
今必要なことは、こうした経済と財政の破綻を生み出した小泉構造改革路線を直ちに転換することであります。そして、国民の暮らしに軸足を置いた政策、すなわち、社会保障、雇用、中小企業対策を重点とした内容に転換するべきであります。今緊急に求められている中小企業対策、雇用対策にまともに取り組んでいないだけでなく、全く逆行する施策をとっているからであります。
日本共産党はそのための抜本的な予算組み替えを提案していますが、少なくとも四野党共同提出の予算組み替えは不可欠であります。このことを強調して、私の反対討論を終わります。(拍手)