私は、日本共産党を代表して、議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行うものです。
本法案は、不況の深刻化による二・五兆円を超える国税の税収不足が出ることに伴い、地方交付税の財源にも欠損が生ずることに対処しようとするものであります。この巨額の税収不足は、不況の一層の深刻化によるものであり、小泉構造改革なるものの覆い難い破綻を示すものにほかなりません。
現在審議されている補正予算案のような、相も変わらぬ従来型公共事業の積み増しではなく、国民の暮らしと営業を最優先として国民の消費を温めることによってこそ景気の回復と財政の再建が可能となるのであり、この方向への政治の転換がもはや一刻の猶予もならない課題となっていると言わなくてはなりません。
本法案による交付税財源の補てんの手法は、当初の地方財政対策の際の国、地方折半ルールに準拠したものであり、地財対策同様に認められません。
反対理由の第一は、この国、地方折半ルールが交付税額確保についての国の責任を放棄し、不足額の半分の補てんを地方に押し付けるものだからです。地方交付税法第七条に明記されているとおり、地財計画の策定は内閣の責任であり、交付税総額の一割以上の財源不足が続くことが見込まれる場合には交付税率の引上げ等によって財源不足を解消することとなっているのです。それを怠ったまま財源不足の半分を地方に転嫁することを認めることはできません。
反対理由の第二は、臨時財政対策債の元利償還金が全額交付税で措置されるといっても、その拡大が将来の地方交付税を言わば先食いすることになるからであります。これでは、自治体が受け取る交付税の使途が債務の償還資金に限定されるという特定財源化とも言うべき事態をもたらすことになります。地方財政の硬直化を一層深刻にするこのような措置を看過することはできません。
以上、反対理由を申し述べました。
このような交付税法改正法案は、不況の打開に何ら役立たない本年度補正予算案とともに廃案とすべきであることを述べて、討論を終わります。
討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。
委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。