オンライン3法案に対する反対討論

矢島恒夫議員 衆議院 総務委員会 2002年12月5日

 私は日本共産党を代表して、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、同法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、並びに電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の3案に対し、一括して反対の討論を行います。

 反対の最大の理由は、国民の懸念と不安の高まりの中で強行された住基ネットの利用を前提としているからであります。住基ネットシステムは、従来の特定の行政分野に限定された番号制度と違って、すべての国民一人一人に11ケタの番号をつけて個人情報を効率的に管理することができるはじめての制度であります。だからこそ国民は、番号をつけられて行政に管理されることの不安、情報の漏洩で自らのプライバシ  の侵害の危険について強い危惧を抱いたのであります。政府には、こうした国民の不安や危惧を解消する責任があります。ところが政府の行ったことは、「施行は包括的な個人情報保護法の整備が前提条件」との総理答弁を無視して、各種の世論調査で圧倒的な施行延期の国民の声を無視した住基ネットの施行の強行であります。こういう住基ネットの活用を土台とした本法案は到底認められるものではありません。

 加えて、第二に、住基ネットに対する国民的合意がない中で、その利用対象を一挙に264事務へと拡大していることであります。情報漏洩によるプライバシ  の侵害という国民の懸念を無視するだけでなく、その危険性を増大させるものであります。また、行政書士法の改正も極めて不明瞭で、いずれも容認できるものではありません。

 また、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案は、その業務が民間に委託されることが前提となっており、守秘義務がかかるとはいえ、住基ネットの個人情報を多数の民間機関の操作に委ねることになり、国民の不安や懸念を益々増大させるものであります。公的認証制度をつくるのであれば、住基ネットとは切り離したものにすべきであります。

 最後に、民主党の修正案については、国民の不安や懸念を増大させる住基ネットの利用対象の拡大を削除する等の内容であり、賛成できるものであることを表明して、討論を終わります。


討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。

委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。


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