独立行政法人・国立病院機構法案に対する反対討論 

 山口富男議員 衆議院 厚生労働委員会 2002年11月27日

 日本共産党を代表して、独立行政法人・国立病院機構法案にたいし、反対の討論を行います。

 反対する第一の理由は、国立病院の独立行政法人への移行が、政策医療の継続や地域医療で果たしている国立病院・療養所の役割を一層後退させることになるからであります。

 独立行政法人化されれば、機構はもとより、各病院ごとに企業会計原則が適用され、単年度ごとの収支・損益を計算し、これを外部の委員で構成する評価委員会が吟味することになります。

 もともと、政策医療は採算がとれない分野です。この不採算医療にくわえて、これまでに地方へ委譲された病院の整備費も含んだ八千四百億円もの巨額の借入金の返済が重なります。その結果、中期計画終了時点で、評価委員会から事業継続の見直しや組織のあり方の検討などが、独立行政法人通則法の規定によって迫られることになります。

 このように、法案は、政策医療自体の継続を困難にし、さらに地域医療からの撤退を余儀なくされる危険を内包しているものです。

 第二に、この法案は、現在の国立病院の廃止・統廃合、委譲や民営化を促進することになっています。

 法案は、あらたに作られる独立行政法人に、今ある病院の廃止・統合、地方への委譲の業務をおこなわせます。これは、国が果たすべき国民への医療責任を一層後退させるものです。

 第三の反対理由は、約七千六百人の賃金職員の雇用の継続が保証されていないことです。 

 これらの定員外職員は、国立病院の運営にとって不可欠の存在です。しかし、法案の附則第二条では、雇用の継続を明確に規定してはいません。

 これらの賃金職員の継続した正式雇用をあらためて強く求め、反対討論をおわります。


* 討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
   特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。

*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。


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