「農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」に対する反対討論

 松本善明議員 衆議院 農林水産委員会 2002年11月21日

 

  私は、日本共産党を代表して、「「農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」に対し、反対の討論を行います。

  深刻な不況と信用不安のもとで、現在、貯金全額保護措置を全面解除する条件にないことは明白です。しかし、今回の延長措置は、小泉内閣がすすめる不良債権の「早期最終処理」の加速化をはかるためとして、二年間に限定されています。貯金全額保護措置の解除は、地域経済の立て直しによる景気の回復を大前提とすべきであり、今回の措置は、「不良債権処理の加速」による農業者等の離農、系統金融内の合併・事業譲渡などによる淘汰・再編の方針と結びついているので、反対であります。

  地域での金融不安をつくりだし、金融機関への信頼を失わせてきたのは、金融検査マニュアルをテコに系統金融の合併・事業譲渡をすすめてきた政府の金融政策です。系統金融の財務内容だけを健全性の基準とする行政手法のもとでは、ペイオフ解禁を二年延長しても問題の解決には決してなりません。

  なお、民主党提出の「修正案」は、政府案よりも一年、延長期間を短縮するなど、改善と評価できるものではなく、賛成できません。

 系統金融の経営を安定させ、信頼を回復するには、収益性に傾斜するのではなく、地域経済と農業者・漁業者の経営を支えるという、本来の役割を発揮するような行政的支援が必要です。そのことを強く要求して反対の討論とします。


* 討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
   特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。

*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。


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