私は日本共産党を代表して、「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案」に反対討論を行います。
反対する第一の理由は、本法案が、有明海・八代海の環境悪化を引き起こした根本原因の究明とその対策への方向付けが明確でないことであります。特に、環境破壊と水産業衰退を引き起こした決定的原因である、諫早湾干拓事業の見直しに何らふれていないことは重大であります。環境再生の眼目である中長期の開門調査を含む徹底的な影響調査とその間の工事中止、事業の抜本的な見直し、これらが欠けた法案は、豊かな海に再生する実効性がなく、まやかしの再生法案と言わざるを得ません。総量規制という文言が付け加えられても、ことの本質は変わるものではありません。
第二の理由は、法案が将来にわたる開発行為の規制強化がないまま、各種の公共事業の重点実施を促進している点です。法案では、各種公共事業について地方債への配慮等、一定の有利な対策をうたっています。これらの公共事業の中には当然必要なものもありますが、こうした各種事業は、逆に環境保全・水産資源の回復にマイナスになりかねません。環境破壊・水産資源の枯渇に結びつく開発行為については、規制強化を明確にすべきです。
最後に本法案の制定をもって、中長期調査を否定したり、干拓事業推進に拍車をかけようとする政治的意図があることを危惧するものです。私は、やはり第三者委員会の提言を尊重して、一刻も早く中長期調査の決断を強く政府に要求するものであります。
* 討論は、通例、採決に際して、賛否の違う場合、各会派がその態度と理由などを述べます。
特に、反対会派が、反対の理由、法案の問題点について述べます。
*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。
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