石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案並びに独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案に対する反対討論 参議院 経済産業委員会 緒方靖夫議員 2002年7月18日

 私は、日本共産党を代表して、石油公団法及び金属鉱業事業団法の廃止等に関する法律案並びに独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法案の反対討論を行います。
 反対理由の第一は、本法案が、減免付融資を廃止したものの、海外石油探鉱開発支援事業で莫大な累積欠損金を生んだ原因、とりわけ、国と石油公団、石油開発会社の責任の所在が不明確なまま、出資と債務保証が各々五割まで保証されて独立行政法人に承継されるからであります。
 石油税という国民の税金を原資にした海外石油探鉱開発で一兆円を超える損失を生んだ石油公団が存続を許されないことは当然ですが、石油大資本のリスクを肩代わりし、ずさんな事業経営で巨額の損失を作ってきた政官業の無責任構造にメスを入れてうみを出さなければ、過ちを繰り返すことになります。
 第二に、石油公団が保有する石油探鉱開発資産の処分方針あるいは開発資産を承継する特殊会社の性格が法案の中で明らかにされないままであり、国民の財産である公団保有資産の処分が、事実上、行政府への白紙委任となっているからであります。
 我が国の石油権益を守り展望しながら、石油探鉱開発資産をいかに取り扱っていくのかという問題は、つまるところ、石油政策に帰結いたします。本来ならば、これまでの石油政策について国と石油公団、石油開発会社の責任の所在を明確にして、国民の利益にこたえる石油天然ガスの探鉱開発の在り方を、国民の意見をよく聞きつつ検討され、国が責任を持って慎重に提案されるべきものだと考えます。
 ところが、本法案は、政府の特殊法人整理合理化計画の先陣を切る形が第一の目的となっております。石油開発資産のお手盛り処分は許されず、国会の関与が重要であることを強調しておきます。
 以上、本法案の主な問題点を指摘いたしましたけれども、日本の資源外交については、日本が独自の見解を持って、資源保有国の自主性を重んじ、平等互恵の立場で国が責任を持って進めていくことが肝心である、このことを強調して、反対討論を終わります。


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