五増五減等を内容とする公職選挙法の一部を改正する法律案に対する反対討論 衆議院 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 大幡基夫議員 2002年7月17日

 私は、日本共産党を代表して、五増五減等を内容とする公職選挙法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、一票の格差が二倍以上の選挙区が九選挙区も存在していることであります。
 そもそも、一票の価値の平等は憲法にかかわる要請であり、選挙制度の仕組みにおいて最も重要な基本的な基準であります。そして、格差が二倍を超えることは、実質的に一人が二票あるいはそれ以上の投票権を行使することと同じであります。これは、投票の価値の平等を侵害する、憲法に反するものであり、断じて認めるわけにはいきません。
 反対の理由の第二は、その区割りの内容が、原則、市区は分割しないとする方針に反して、十六もの市区を分割するなど、住民の生活圏や交通圏、歴史や文化を無視した区割りが横行していることであります。これに対して関係地域から単なる数合わせとの厳しい批判があることは、質疑の中でも浮き彫りになったことであります。
 そして、この二つの問題は、一票の価値の平等という憲法の要請と小選挙区という制度の矛盾を露呈させたものであります。格差是正には、有権者の数の調整と議席配分の調整という二つの方法があります。しかし、選挙区の定数が一である小選挙区のもとでは、個々の選挙区の格差是正は有権者の数の調整しか道がない、ここから数合わせとの批判が起こる事態が生まれているわけであります。
 日本共産党は、小選挙区制の導入が強行されたとき、この制度は民意を公正に反映するという選挙制度の根本基準に反するとして、断固反対しました。実際、その後二回の衆議院選挙では、第一党の政党が得票率の一・五倍もの議席占有率を得る一方で、過半数の有権者の一票が議席に結びつかないいわゆる死に票となるなど、重大な問題点を浮き彫りにしています。
 私は、今こそ、この小選挙区という制度の根本にメスを入れ、あるべき選挙制度の真剣な議論が必要であることを申し上げ、討論といたします。


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