道路関係四公団民営化推進委員会設置法案に対する反対討論

 参議院 内閣委員会 吉川春子議員 2002年6月6日

 私は、日本共産党を代表して、道路関係四公団民営化推進委員会設置法案に対する反対討論を行います。
 第一の反対の理由は、この法案には採算性もない無駄な高速道路造りをやめさせる保証がないことです。債務の償還期限を五十年とし、必要性もはっきりしない高速道路を造り続けていく仕組みを作ったということです。
 我が党の追及によって、第二東名・名神高速道路は十一兆円という巨額の建設費が掛かり、単独では料金収入で利払いもできないことを政府は認めました。第三者委員会では、道路公団の償還計画に決定的な影響を与える個別路線の見直しの検討を行う権限はありません。無駄な道路建設をやめさせる保証がないわけです。高速道路建設をいったん凍結してその必要性について抜本的に見直す仕組みをこそ作るべきです。
 第二は、政府の道路四公団の民営化は、無計画に三本の橋を架け破綻している本四公団など、三十八兆円という巨額の債務を作り出した責任は不問にしたまま国民に負担をさせようとしていることです。これは政府・自民党が進めてきた無駄な道路建設の借金を国民にツケ回しをするための民営化であるからです。
 第三は、民営化推進委員会は、破綻が明らかな従来の道路建設の計画を見直すものではないことです。東京湾アクアラインは、過大な交通量予測に基づく採算見通しによって建設が行われ、当初の建設費は一・四倍に膨らみ、交通量は三分の一しかなく、料金収入では利払いもできない状況に追い込まれています。それにもかかわらず、アクアラインの外側にもう一本長大橋を架ける東京湾口道路を計画しています。こういう無駄な海峡横断道路プロジェクトは直ちに凍結、見直し、中止すべきそういうシステムを作るべきです。
 第四は、政官業の癒着と利権構造に抜本的メスを入れていないことです。公共事業受注企業からの自民党への献金は莫大なものです。我が党は当委員会で東京湾アクアライン、第二東名・名神の工事受注企業からの自民党への献金の実態を明らかにし、公共事業受注企業からの政治献金禁止を強く求めてきました。しかし、明確に禁止するという答弁はありませんでした。これでは公共事業をめぐる政官業の癒着を断ち切ることができません。公共事業受注企業からの献金禁止こそ、無駄な公共事業をなくす一つの保障です。
 以上を申し上げて、反対討論を終わります。


*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります


 【討論・発言インデックス


第154国会の「しんぶん赤旗」の主な記事→【1〜3月】 【4月〜

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