日本共産党の矢島恒夫でございます。
五月中に一カ所に絞っていこうという方向だったわけですが、きょうは三十一日ですから、結果的に絞れなかったという状況の中できょうを迎えていると思います。そういう中で今後どうするかということになるわけですけれども、そういう意味からしますと、やはり今日までの当委員会なりあるいはまた政府なり、対応の点でどういう点に問題があったのか、そういう点を十分踏まえた上で考えるべきだと私は思うんです。
そういう観点から、三つの角度からの意見を私は申し上げたいと思うわけです。
一つは、この二年間における当委員会の問題ということになろうかと思います。
私ども日本共産党は反対いたしましたけれども、あの二年前の当委員会において決議がなされました。二年を目途に一カ所に絞り込む、こういうことだったけれども、この決議の位置づけがどうだったかという非常に根本的な問題になるかと思いますけれども、やはり考えておく必要があるんじゃないか。
というのは、例えば絞り込みということを二年後までに行うというわけですが、その方法あるいは段取りあるいは見通し、こういうことについての議論や準備というのがどうも見えなかった。とりわけ、本委員会と本会議との関係だとかあるいは参議院との関係だとか、重要だと思われる諸問題、これをあらかじめ、予測できるはずですから、それらの見通しというものをきちんとつけておくべきだったのではないか。それが見えなかったというところに一つの大きな問題があり、この欠陥とも言えるような決議に縛られて、ことしに入ってから本当に理事会や委員会、かつてなくいろいろなことをやってまいりましたが、大変混乱する状況もあったわけですから、予測される事態とも言えるものをやってこなかったという問題点が指摘されるんじゃないか。
それから、二つ目には、やはり政府の対応の問題だろうと私は思います。
二年半前に、総理の責任で、国会に対して三候補地の審議会答申、この報告がなされたわけです。この審議会、二年半にわたっての討論を経た上で、結局は一カ所に絞り込むことができなくて、中途半端な報告を国会に行う。こういう一方で、いわゆる財政再建計画のもとで移転計画凍結というのを政府が決定しました。その後、扇国土庁長官の発言に見られるとおり、政府としての移転消極論や凍結姿勢、こういうさなかにおける国会の移転候補地選定作業というんですか、そのちぐはぐさというのを国民やあるいは候補地の地域の住民の前にさらけ出した。こういう政府の責任は極めて重いと私は思うわけです。
三つ目に、移転論議として最も重要な点である東京都との関係であります。
法律の中でも、東京都との比較考量、これを通じてということになっているわけです。移転の是非の最終判断、これは東京都との比較考量が行われなきゃなりませんけれども、このハードルがどうなっているのかという問題です。このハードルをクリアするということなくしては、やはり論拠はないわけであります。この比較考量の道筋も必ずしも明確だというわけではない。
そこで、私たちは、九〇年の本会議の決議の当初から移転必要なしと主張してまいりました。最近に見られる三候補地の地元の皆さん方の誘致運動、これも非常に過熱的なものがあり、先ほども話がありましたように、その誘致のために相当の予算等を組んでおられるわけです。
そこで、結論として、私たちは、これ以上いわゆる三候補地の人たちにいろいろとエネルギーや時間やあるいは費用というものを使わせるということには問題がある、だから、一刻も早く国会と政府の責任で終止符を打つべきである、この委員会としてもその責任の一端を明確にするためにも終止符を打つべきであるということ、このことを主張いたしまして、意見を終わります
*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります。
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