ハートビル法改正案に対する修正動議の提案理由説明

 参議院 国土交通委員会 富樫練三議員 2002年4月25日

 私は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律案、いわゆるハートビル法の一部改正案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。

 これより、その趣旨について御説明申し上げます。

 全面参加、平等をうたった国際障害者年を経て、障害者基本法、高齢社会対策基本法、交通バリアフリー法の成立と、世界でも日本でもバリアフリーが大きな流れとなっています。日本の障害者人口は二百九十三万人と年々増加しています。その六割が頻繁に外出していると政府の調査で発表されているように、障害者の社会参加は目覚ましいものがあります。

 政府案は、一定の建築物に利用円滑化基準を義務付けている等の点で一歩前進ではありますが、世界の流れや、高齢者、障害者の社会参加の広がりから見れば、余りに不十分であると指摘せざるを得ません。

 例えば、高齢者、障害者等の社会参加が権利であるとの規定がありません。そのため、目標や計画を定める場合に、高齢者、障害者等の意見を反映させる仕組みもありません。

 また、老人ホームや公民館など、高齢者、障害者にとって必要不可欠な建築物であるにもかかわらず、二千平方メートル以下の場合にはバリアフリーが義務付けられていません。理髪店や美容院、コンビニエンスストアなど、障害者の要望の高い店舗のバリアフリー化も進む見通しがありません。また、学校などにも義務付けられていません。これらの不十分さを解決するために修正案を提出いたしました。

 以下、修正案の内容を御説明いたします。

 第一に、法の目的に、高齢者、障害者等の社会参加が権利であることを明記し、ハートビル法でその権利を担保することを明確に位置付けております。

 第二に、国、自治体が目標や計画を定めて確実に推進することと、それらの決定の際に高齢者、障害者等の参加を明記しております。また、対象を身体障害者に限定せず、あらゆる障害者を含める規定としております。

 第三に、バリアフリー基準の適合義務を負う建築物について、一定の規模とする規定を削除し、必要な施設は二千平方メートル以下であっても義務付けを行うこととしています。公民館や老人ホームなどの公共的な建築物の具体的な指定は政令で行うとの考えであります。また、理髪店やコンビニなど、個人経営の建築物のバリアフリー化を推進するための支援措置の充実も含め、その実効性を高めようというものです。

 第四に、認定建築物の容積率の特例について新設する規定を削ることとしています。容積率は、日照や通風など、自然環境及び交通問題などの社会的条件などから、良好なまちづくりのために定められるもので、バリアフリーの誘導措置にする場合には慎重に行うべき問題であります。

 第五に、法施行後五年を経過した時点での見直し規定を設けました。

 以上、日本共産党の修正案の提案理由及びその内容であります。

 委員各位の御賛同をお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。

 ありがとうございました。


*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります


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