教員免許法改悪案に対する反対討論

衆議院 文部科学委員会 児玉健次議員 2002年4月24日

 私は、日本共産党を代表して、教育職員免許法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。

 教育職員には、教科に関する専門性と、子供、青年の発達についての専門的知識、経験が不可欠です。それをすべての教員に求めているのが現行の教育職員免許法であり、免許状が、校種別、教科別に定められているのは当然のことです。

 社会人教員を拡大するために免許状の要件緩和を進め、中学、高校教員の小学校などへの派遣を進める本改正案は、教職の専門性の原則を大きく崩すものです。我が党は、専門的な知識、技術を持つ一般社会人が、さまざまな形態で学校教育に参加することを拒む立場ではありません。しかし、教職について専門的に学んでいない者を教師として安易に拡大していくことは、児童生徒の発達と人格形成に直接かかわる教師のあり方として問題があります。

 また、中高教員の小学校などへの派遣は、複数の学校を兼任することを可能とし、学力差を固定しかねない習熟度別授業を他校種の教員の力をかりて行うことに道を開きます。

 今なすべきことは、小学校、中学校で免許外教科担任を段階的に確実に解消することであり、国として三十人以下学級の実現に踏み出すことです。新卒者の採用が減少し、教師の高齢化が進んでいる中で、若さにあふれる教職員の正規採用を大幅にふやして、教育活動を活性化することこそ日本の教育にとって最も急がれる課題です。

 また、今回の改定は、免許状取り上げの範囲を事実上拡大しています。懲戒免職者の情状が重いと認められるときには、現行法でも免許状の取り上げは可能です。今回の改定により、私学経営者による不当な解雇を助長し、私学教員への管理、統制の手段となる危険性は否めません。

 以上、この法案は、教職の専門性を軽視し、教育の場における管理、統制につながるものであり、法案に反対することを述べて私の討論といたします。(拍手)


*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります


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