私は、日本共産党を代表して、小泉首相が郵政民営化の一里塚と位置づける郵政関連四法案に反対の討論を行います。
第一に、信書便法案についてであります。
法案の根幹である信書の定義があいまいだということです。時の政府の解釈でくるくる変わるような定義を根幹に置く本法案は、そもそも欠陥法と言わなければなりません。加えて、土壇場の政府と自民党の合意で、これまで信書とされてきたダイレクトメールの大半を信書でないとして、民間に解禁する道を開きました。民間によるいいとこ取り参入を進めれば、もうからない地方や第三種・第四種郵便の切り捨てに進むことは必至であります。
次に、日本郵政公社法案及び施行法案についてであります。
第一は、予決算という国会の最大のチェック機能を排除し、国民利用者による新たなチェック機関を一切設けず、役員の任免権、経営目標、経営計画の認可権など日本郵政公社の支配権を総務大臣に集中することで、官僚の権限を拡大していることであります。事業経営は国民の目から遠ざかり、腐敗、癒着の解決に逆行するものと断ぜざるを得ません。
第二は、国営企業である日本郵政公社に民間企業の企業会計原則を持ち込むことによって、郵便事業部門では新たに一兆
六千三億円という巨額の会計上の負債が計上され、郵便事業が債務超過とされることであります。その解消のために、サービス切り捨てと労働者への犠牲のしわ寄せが進まざるを得ません。
第三に、障害者の情報保障に不可欠な点字郵便、盲人用点字録音物を無料とする郵便法第二十六条第三項を削除していることです。
なお、与党三党提出の修正案については、郵政公社が出資を可能とするもので、国民の批判を浴びている郵政利権の巣窟であるファミリー企業の拡大をするものであり、反対であります。
以上、郵政四法案は、大銀行の新しい利権を拡大する郵政民営化に道を開く一方、古い利権である郵政ファミリー企業群や腐敗の温床である政権党と特定郵便局長会、郵政官僚の癒着には一切メスを入れず、改革の名に全く値するものではない、このことを強調して、反対討論を終わります。(拍手)