私は、日本共産党を代表して、都市再生特別措置法案と都市再開発法等改正案についての反対討論を行います。
都市再生特別措置法案に反対する第一の理由は、都市再生特別地区において、用途地域等の規制を緩和し、容積率、日影制限などの規制を適用除外にするとしています。これらの規制は、無秩序な開発を防止し、良好な居住環境を作るためのものですが、それを撤廃すれば、住環境をより悪化させることに間違いありません。
第二の理由は、民間事業者が都市計画の提案をできるようになり、都市計画決定を六か月以内に、事業計画を三か月以内に認可するなど、手続を短縮することは重大です。今でも都市計画決定には住民の意見を反映させる手続はありますけれども、実際には形骸化し、なかなか住民の声が反映されません。住民の声を無視し、事業のスピードを更に加速させることになりかねないもの、許すことはできません。
第三に、民間プロジェクトに対して、民都機構などを通じて無利子貸付け、債務保証など、支援の内容が盛り込まれています。民間会社に対して公的資金を使って支援するもので、大企業には至れり尽くせりの内容であり、容認できません。
次に、都市再開発法等改正案に反対する理由を述べます。
第一は、市街地再開発の施行者として民間事業者などを追加することになれば、企画から施行に至る全体を民間企業が思うとおりに進めることが可能となります。営利に基づく開発では、小地権者などの住民の意見が反映されず、住み慣れた土地から追い出される危険があります。
第二に、自治体、公団に限って施行が認められている第二種再開発に再開発会社を参入させることで、民間企業に土地収用権を事実上認めるとしています。本来、土地収用権は憲法で保護された国民の財産にかかわる問題であり、私企業、民間企業が国民の財産権を侵害することは許されません。
第三に、土地区画整理事業において高度利用推進地区を設け、そこに高層ビルを建設するため、換地を望まない地権者もその地区から追い出されることになります。これは、換地の照応の原則を定めた区画整理法にも反するものであり、容認できません。
第四に、民都機構の土地取得業務を三年延長するとしていますが、民都機構はこれまでも工場跡地や不良債権化した土地を大企業から買い取っています。この事業の継続は、税金を使った大企業支援を続けるということであり、その業務は中止すべきであります。
バブル期の土地投機で多くの住民が住み慣れた土地を追い出されてきました。その反省に立って、住民参加で人が生活できる都市に再生できるよう現在の法律、制度を抜本的に見直すことこそが今必要であるということを主張いたしまして、反対の討論といたします。
議員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
*委員会名、法案名等については、略称、通称等で記載している場合があります
第154国会の「しんぶん赤旗」の主な記事→【1〜3月】 【4月〜】
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