2007年1月14日(日)「しんぶん赤旗」
戦争やっちゃいかん
金子兜太さんら講演
俳人「九条の会」つどい
俳人「九条の会」の新春のつどいが十三日、東京都千代田区の学士会館で開催され、三百二十人が参加しました。
同会呼びかけ人のひとりである俳人の金子兜太さんは「ぼくの戦争体験と俳句」について講演し、「戦争には嫌悪感を持ちながらも、しようがねえと思っていた。そういう人間が兵隊にいって、完全に覆された」という経験を語りました。
金子さんは、一九四四年三月初めにトラック島へ配属され、手りゅう弾の誤爆で仲間が爆死した現場に居合わせたことを話し、「病院まで即死している死体を担いで十人くらいでわっしょいわっしょいと走った。担いだ連中には血がついた。死者のにおいがのこり、半年間、死者のにおいと重なり魚が食べられなかった」と振り返り、「死ってことは悲惨なことだ、こんなことはやっちゃいかんと思いました」といいました。
「九条の会」事務局長の小森陽一さんは、「ぼくの憲法体験と文学」と題して講演し、自民党の「新憲法草案」を紹介しながら「軍が支配する国家が想定されている」と指摘しました。さらに、「いま重要なのは国連憲章と憲法九条の関係。九条のなかに世界へのメッセージがある。九条の思想がいま国際社会が輝きはじめているときに、この国で九条を捨てるんですか」と問いかけ、憲法九条を守る運動への協力をよびかけました。