2007年1月14日(日)「しんぶん赤旗」

米国支配から自立へ

ニカラグア新大統領

地域統合構想に調印


 【メキシコ支局】中米ニカラグアのオルテガ大統領は就任翌日の十一日、米州ボリバル代替構想(ALBA)に加盟、調印しました。ALBAは、米国が中南米の経済支配を狙って実現しようとした米州自由貿易地域(FTAA)に代わり、米国の支配からの自立と共存繁栄をめざしてキューバ、ベネズエラ、ボリビアが進めている地域統合構想です。

 同大統領は調印にあたり、新自由主義モデルの否定的影響によって「中南米・カリブ海地域の諸国民が戦略的同盟に向かわざるを得なくなっている。その原則は連帯と協力、補完、援助だ」との認識を示しました。

 オルテガ大統領は支持者らを前にした就任当日の演説で、「ローマ法王パウロ二世が野蛮な資本主義と呼んだ政策は何をもたらしたか」と新自由主義政策を改めて批判。「国民が尊厳をもって生活できる新しい道を切り開く」と強調し、「貧困を克服する唯一の道は諸国民の団結だ」としてALBA加盟の意思を明らかにしていました。

 ニカラグアでは、国際通貨基金(IMF)が押し付けた構造調整政策により社会支出が極端に切り詰められてきました。

 一方、公的債務の返済は国家予算の約二割を占めるに至っています。また、民間企業に委ねた電力事業が原油高騰などから行き詰まり、日に数時間もの停電が昨年半ばから続いています。

 ALBA加盟によって、融資や技術協力、医療や教育分野での援助、優遇条件での原油輸入などが可能になるといわれています。

 ベネズエラのチャベス大統領はニカラグアへの全面的な支援を約束。債務免除や石油精製所の建設などを行うと述べています。


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