2007年1月12日(金)「しんぶん赤旗」
イラク空自
輸送大半、米軍の疑い
差止訴訟弁護団 開示文書で見解
「自衛隊イラク派兵差止訴訟」全国弁護団は十一日、東京都内で記者会見し、イラク駐留の航空自衛隊による輸送活動の「大半が米兵や米軍物資であることは疑いない」との見解を表明しました。
同弁護団は情報公開請求で昨年十二月二十九日に、空自の「週間空輸実績報告」(二〇〇六年七月十七日から十一月十二日)を入手しました。
空自は陸自がイラクから撤退した昨年七月末からバグダッドへの空輸を開始しています。報告文書は空輸の日時、出発・到着地、輸送人の所属と人数、物資の数量などが記載されています。
開示されたのは約五十数回の輸送のうち、(1)七月十七日の陸自(2)八月三日の外務大臣(3)九月六日の「国連」(アリアルサレムからバグダッドを二往復)に関する三件のみ。あとはすべて黒く塗りつぶされていました。
同弁護団は、政府が国会答弁でも米軍物資の輸送を認めていることなどを前提にすれば、「国連と陸自を除けば空輸を要求しているのは米軍。非開示部分はそのほとんどが米兵とその関連物資であることは疑いない」と分析しています。
同弁護団の川口創事務局長は「政府は国連などの人道物資を輸送していると説明するが明らかに違う。防衛省昇格、自衛隊海外活動の本来任務化のもとで、危険な(戦場で)米軍との共同作戦を進め、改憲を先取りする事態だ」と批判しました。