2007年1月9日(火)「しんぶん赤旗」
生活保護申請権を侵害
北九州市方式広げるな
調査団が総括会議
北九州市で一人暮らしの男性=当時(56)=が生活保護の申請を二度拒否され餓死した事件を調査し、同市の生活保護行政の改善を求めている北九州生活保護問題全国調査団の総括会議が八日、同市内で開かれました。
調査は昨年十月二十三日から二十五日に実施。男性が住んでいた地域住民や関係者と懇談、市内各区役所での生活保護申請への立ち会い、電話相談などをおこないました。
北九州市社会保障推進協議会の飯田富士雄事務局長が調査結果を報告、今後の取り組みについて討論しました。
飯田氏は、調査期間中に生活保護の申請が受理されたのは二十五人、保護が開始された二十人のうち十二人が過去に申請を拒否されていたと報告。弁護士の立ち会いを認めない区役所もあり調査を通じて申請権を侵害する同市の保護行政の違法性が明確になったと述べました。
討論では「事件の背景には国による生活保護切り捨てが横たわっている」「申請した人の八割が受給開始になったことは、すぐ生活保護が必要な人が拒否されてきたことを示した」「調査を通じて申請を拒否する『闇の北九州方式』の実態が明らかになった」「申請権を侵害する北九州市のやり方を全国に広げさせては絶対にならない」など発言が続きました。
調査結果を踏まえ同市の異常な保護行政と違法性を広く知らせる、各区・地域で生活保護の申請相談・援助する恒常的なネットワークづくり、市民シンポジウム開催、「生活保護一一〇番」、報告集の出版を確認しました。
調査団は中央社会保障推進協議会、全国生活保護裁判連絡会、福岡県、同市各社保協などで構成しています。