2007年1月8日(月)「しんぶん赤旗」
全国都道府県委員長・地区委員長会議
志位委員長のまとめ
日本共産党が五、六の両日開いた全国都道府県委員長・地区委員長会議での討論をうけた志位和夫委員長のまとめは次のとおりです。
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みなさん、三中総につづく全国会議への参加、ごくろうさまでした。私は、常任幹部会を代表して、討論のまとめをおこないます。
選挙必勝にむけて意気高い意思統一がはかられた
全国都道府県委員長・地区委員長会議では、二日間の討論で、あわせて五十四人の県委員長、地区委員長(代理を含む)、参議院予定候補者が、発言しました。
この会議は、三中総決定を正面から受け止め、選挙必勝にむけて意気高い意思統一がはかられた会議となりました。また、第二十四回党大会から一年の取り組みを通じて、わが党のなかに、新鮮で豊かな前進への息吹がつくりだされつつあることが、生きいきと反映された感動的な会議となりました。
会議での発言の一つひとつが、大会決定にもとづきながら、どれも紋切り型でない、創造的な探求と努力に取り組む姿が語られ、くめども尽きぬ教訓に満ちていました。そこで、この会議の発言の記録集を大急ぎでつくって、全党に生の形でそれを返すようにしたいと思います。(拍手)
三中総決定の解明が、情勢の進展のなかで、生命力を発揮する
私は、三中総への幹部会報告で、いっせい地方選挙と参議院議員選挙という二つの全国選挙にむかう政党配置、そのもとでの日本共産党の役割、わが党が前進することの意義を明らかにしました。結語では、このことが、「情勢の展開の中で、日々明瞭(めいりょう)になっていくでしょう」とのべました。
憲法問題――自民と民主の間に、どんな「対決」も「争点」もない
三中総の翌日のマスメディアの報道でも、三中総決定が解明した今日の政党状況の特徴が、さっそくあらわれました。主要各紙が、「安倍首相が、憲法問題を選挙の争点に」と、いっせいに報じました。この内閣が、史上最悪のタカ派・改憲内閣であり、それを売り物にして支持を得ようとしている危険な姿が、はやくも浮き彫りになりました。今年は、この危険な動きと、平和を願う国民との矛盾が、いよいよ広がらざるをえないでしょう。わが党は、安倍・自公政権と正面から対決し、改憲の動きを国民的に包囲する論戦と運動に意気高く取り組みたいと思います。
同時に、メディアが報じたのは、こういう安倍政権の動きにたいして、民主党に対抗の足場がない、憲法改定では同じ流れにある、ということでした。「朝日」の昨日(一月五日)付をみますと、「首相『改憲を』 小沢氏『身近な問題』」、こういう見出しで記事が出ています。つまり、いま自民党は、改憲を選挙の争点に押し出そうとしている、しかし、民主党の側は、それを争点にすれば、同じ流れにあるということがいやがおうでも明らかになる、そこでそこから逃げて、「身近な問題」をというわけです。しかし、地方政治での「オール与党」という政党状況にしめされるように、「身近な問題」でも自民と民主は同じなんですね(笑い)。これはなかなか深い矛盾です。じっさい、昨日と今日の報道でも明らかになっているように、いま憲法をめぐって具体的に問題になっているのは、自民・公明両党と民主党が共同して、改憲手続き法案をつぎの通常国会で成立させようとする動きです。そのどこにも「対決」もなければ、「争点」もありません。
「自公民『オール与党』批判は、地方政治の実感にぴったりくる」
もう一つ、三中総後、メディアでニュースとなったのは、地方政治で、この一月四日に告示された三つの知事選挙――山梨、愛媛、宮崎の知事選挙で、どれも民主党が「不戦敗」になったことです。三つの知事選挙では、「オール与党」陣営がまとまったり、分裂したり、いろいろなケースがありますけれども、民主党はどこでも独自候補を立てられず、「オール与党」政治と対決して、どの選挙でも堂々と推薦・公認候補を擁立してたたかっているのは日本共産党だけであります。
「朝日」では、「民主党 なぜ勝負を避けるのか」という社説が出ました。愛媛県の知事選では、自民・公明・社民がかついだ現職候補者を、県議会の民主党会派もささえるという、「オール与党・相乗り」候補と、日本共産党が推薦する革新候補の一騎打ちとなっています。それについてこの社説では、民主党にたいして、「実質的には共産党を除く『オール与党』に加わろうとするに等しい」という批判をしています。「オール与党」という言葉は、私たちだけが使っているのではなくて(笑い)、新聞の社説のなかでも「市民権」をえている言葉になっているようです。
このように、地方政治にいきますと、いよいよ「自民か、民主か」で「争点」をつくろうとしても、「争点」などどこにもないわけです。討論でも、「三中総決定が明らかにした民主党批判は、地方政治の実感にぴったりくる」という発言が、たくさん出されました。地方政治という草の根の舞台においては、自民党も民主党も、いよいよ変わりがない。自民党と民主党が、それぞれ候補者を公募する。そのどちらにも応募して、採用されたほうから立候補するというケースも少なくないと聞きます。(笑い)
このように、三中総決定が明らかにした政党配置は、日々の情勢の進展のなかで明らかになってきます。憲法問題はもとより、暮らしの問題でも、地方政治の問題でも、どの問題でも、今日の政党状況のなかで、日本共産党が出番の情勢であるということが、日々明らかになってきます。ここをよくとらえることが大切です。
「二大政党」の「選択」をおしつける逆流を自力で打ち破って
ただ、逆流もさっそく始まっています。今日(一月六日)、ある大手新聞が、「世論調査」なるものを発表しています。これは、「参院選『勝利期待する政党』」という見出しになっているのに、「期待する政党」の選択肢が、二つの党しかないのです(どよめき)。この「世論調査」では、「参院選で、自民党と民主党のどちらに勝ってほしいですか」という設問しかやっていません。ご丁寧に、この二党以外を支持すると答えた人に対しては、公明党、共産党、社民党の支持層ごとに、「自民と民主のどちらに勝ってほしいですか」と聞いて、無理やりにどちらかを答えさせている。「世論調査」とはとうていいえない、悪質な世論誘導が早くも始まっているわけです。こうした逆流にたいして、私たちは、それを自力で打ち破って、勝利をつかまなければなりません。
三中総決定の徹底を推進するときに、決定そのものの読了・討議をすすめることが何よりも大切ですが、それをすすめるうえでも、日々の情勢の生きた進展にてらして決定をたえず検証し、生きた情勢とのかかわりで、決定の生命力をフレッシュに語っていくということが大切だということを強調しておきたいと思います。
「支部が主役」の活動が、党を変え、党と国民との関係を変えつつある
討論の全体をつうじて、私たちが実感したことは、党大会決定にもとづいて取り組んできた「支部が主役」の活動――「この道しかない」ということを合言葉にしていっかんして追求してきた活動が、党を変えつつあるということです。すなわち党が、支部を基礎とした自覚的な人間集団として、新たな活力を得て発展しつつあることが、浮き彫りになる会議となったのではないでしょうか。
同時に、「支部が主役」の活動が、党と国民との関係も、変えつつあります。すなわち国民と地域、職場、学園、草の根で結びつき、草の根の要求をつかみ、その実現のために、ともに奮闘する、国民のなかに深く根をおろした党が、いま築かれつつあるということが、討論全体をつうじて浮き彫りになったのではないでしょうか。
どんな困難をかかえている地区でも、かならず前進できる
発言のなかでとりわけ印象的だったのは、どんな困難をかかえている地区でも、決定にもとづいて、「支部が主役」の活動に正面から取り組めば、かならず変わる。かならず困難を打開して前進できるということです。
発言のなかで、「このままでは地区委員会がなくなってしまう」という、いわば絶体絶命のところから、非専従党員の力も結集して党を立て直して、前進の軌道にのせた地区委員長の経験が語られました。参加された地区委員長のなかには、これまでいろいろな困難をかかえ、悩みながらも展望を見いだせないできた方もいると思いますが、あの経験を聞いたら、「困難を打開できない地区はない」と確信をもてる発言だったと思います。地区活動を立て直した地区委員長が、この取り組みをつうじて、「支部と党員への見方が変わりました」、「支部と党員のささやかな進歩でも心から喜べるようになってきました」、と語っていたことは、たいへん感動的でした。
そして、これは多くの発言でのべられましたが、一見困難に見える地区委員会にも、そこには潜在的な力があります。職場でのきびしいたたかいのなかで鍛えられ、まだまだ元気で退職した党員がいます。これまで党の会議には出ていなかったけれども、住民のなかでは多面的な活動に取り組んでいる党員がいます。いろいろな潜在的な力があり、これらの人々はみんな党にとって宝です。すべての党員の潜在的な力を結集すれば、困難な地区でも必ず前進は可能だという展望が見えてきた会議になったと思います。
「一見地味に見えるが、実らせれば巨大な力になる」
それから、「『支部が主役』の活動は、一見地味に見えるが、これを実らせれば巨大な力になる」といった趣旨の発言が、何人かの地区委員長から出されたことも、たいへんに印象的でした。
この取り組みが、本格的に前進しはじめている地区や支部では、一つのことだけをやっているわけではありません。実に多面的、多彩で、豊かな活動に取り組んでいます。そのなかで、困難な党勢拡大も独自の追求の手立てをとり、前進させています。こうした活動は、わが党がこれまで、なかなかできなかったことです。わが党の活動には、どうしても、一つのことに取り組むと、他がおろそかになってしまうという弱点がありました。しかしそれが克服されて、ほんとうに総合的な活動に取り組む党がつくられつつある。これは、たいへんに発展性のある変化だと思います。
ほんらいの党活動というのは、一つのことだけでなくて、総合的活動のなかでこそ、法則的で、持続的な、ほんものの前進がかちとれるわけですが、そういう点でも、「支部が主役」の活動を実らせれば、まさに巨大な力になるということが、実感された討論となりました。
職場支部の活動が、「講座」を力にたくましい前進を開始している
「支部が主役」の活動にかかわって、発言のなかでは、職場支部の活動が、「職場講座」を力に、新たな前進をつくりつつあるたくましい姿が語られました。
発言のなかで、「職場支部では、支部会議を開く、毎日の『しんぶん赤旗』を読む、職場でなんらかの活動を起こすなど、すべてがたたかいだ」とのべられましたけれども、私はそのとおりだと思います。職場支部の活動は、巨大資本のさまざまな圧迫に抗しての、それこそすべてがたたかいです。
そのなかで、「政策と計画」の一つひとつを大切にして、どうやって実践に踏み出すかをともに考える見地で支部に接して、ともに力をあわせて前途を開いてきたという報告がのべられました。そして、そうした努力が実りつつあり、職場支部が、選挙戦で、「日本は一つ」の活動の牽引(けんいん)車となって奮闘を始めている姿も報告されました。
「支部が主役」の活動を、「この道しかない」と思いを定めて取り組んできた活動が、いま党を変えつつある、党と国民の関係も変えつつある、ここに自信を持って、この活動を選挙戦にふさわしく発展させ、やるべきことをやりぬけば必ず勝利への道を開くことができます。この会議は、その自信と確信を、全国の県委員長・地区委員長のみなさんがつかんだ会議となったと思います。
国民の苦難の軽減のために献身する日本共産党の存在意義がかかった選挙
討論の全体をつうじて、二つの全国選挙が、国民の苦難の軽減のために献身する日本共産党の存在意義がかかったたたかいだということを、痛感しました。
日本共産党という国民の命綱を太くする選挙に
三中総への幹部会報告では、憲法二五条に保障された生存権を守る国民的大運動――貧困を打開し、生活を防衛する、草の根からの大運動をよびかけました。討論では、この提起が歓迎されるとともに、国民諸階層のなかで進行している貧困の深刻な実態、そのなかで党が文字通りの命綱としての役割を果たしている姿が語られました。
発言のなかでは、「生活苦にあえぐあるご夫婦が、最後の十円玉で地区委員会に電話をかけてきた。途中で電話が切れてしまい、地区の常任委員が会議を中断して総出で探し、ご夫婦を訪ねて相談に乗り、生活保護を受けられるようになった。この取り組みを通じて、党への深い信頼が寄せられている」という経験が語られました。また、「母子家庭のお母さんから『助けてください』との訴えが地区委員会に寄せられた。生活相談にこたえるなかで、信頼が寄せられている」という話も報告されました。
いま生活苦にあえぐ国民の思いにこたえて、草の根からその命綱としての活動をできる党は日本共産党だけだと、私たちは胸を熱くして、この発言を聞きました。みなさん、二つの全国選挙を、日本共産党という国民の命綱を太くする選挙にしていこうではありませんか。
住民アンケート活動、支部主催の演説会・小集会・懇談会をさらに発展させよう
この問題に関連して、討論で共通して語られたのは、住民アンケートの活動が、多くの地域で取り組まれ、大きな威力を発揮しているということでした。「驚くほどたくさんの人からアンケートへの回答が返ってくる」、「名前を書いてくれる人が多い」、「びっしりと生活苦をはじめ要求が書きつらねられている」、こういうことが共通して報告されました。ここにも国民の生活苦の深刻な状態が反映されていると思います。全国どこでも、このアンケートに取り組むことで、住民の要求がよく見え、その実現の力になる。そして党が、自らの存在意義に自信を持ち、元気になる。そうした大きな威力を発揮していることは、たいへんに教訓的だと思います。この活動は、選挙にむけてもさらに大いに発展させていきたい活動であります。
もう一つは、支部主催の演説会・小集会・懇談会が広がり、これが選挙諸課題でも、党勢拡大でも、前進の結節点になっているということでした。そこでも印象深かったのは、演説会・懇談会・小集会のなかでたくさんの要求が出され、そこで対話と討論がおこり、それが契機になって、要求実現の新たな取り組みがおこり、さまざまな成果がかちとられているということでした。支部主催で無数の小集会をおこなっていく活動も、ほんとうに豊かな発展の可能性を持つ活動であります。
討論では、住民アンケート活動、支部主催の演説会・小集会・懇談会などの活動が、いわばいまの国民の状態にぴったりあった活動だということが、語られたと思います。深刻な生活苦にあえぎ、平和の問題でも不安や怒りをつのらせる国民の実態や思いに、ぴったりとかなった活動だということが、討論をつうじても明らかになりました。
全国の取り組みにお互いに学んで、これらの活動を大いに発展させながら、選挙勝利へのダイナミックなうねりをつくりだしていきたいと思います。
地区委員長のあり方、醍醐味が明らかになった
この会議は、全国の県委員長と地区委員長が一堂に会した会議ですが、とくに地区委員長のあり方、この仕事にとりくむ醍醐味(だいごみ)が明らかになる会議ともなったのではないでしょうか。討論を聞いて、私たちがいくつか感銘を受けたことについてのべたいと思います。
どんな困難があっても、それに負けない不屈性
第一は、どんな困難があっても、それに負けない不屈性を、多くの地区委員長のみなさんが発揮されているということです。
一つひとつの発言について、私たちは、いったい何が契機になって前進が開始されたのかを、関心をもって聞きました。そうしますと、多くの場合、失敗、困難が、前進の契機になっています。「前回の選挙で議席を失った。こんな悔しいことは二度と繰り返したくない」などというところから、新しい前進への決意がつくられた。とくにそういう失敗や困難に突き当たったときに、いちばんの批判の矢面にたたされるのは、党機関の長でありますが、そのときに地区委員長が、「困難を何がなんでも突破して前進をはかろう」という確固とした不屈性を発揮したことが、地区党の全体に伝わり、前進を開始している経験がたくさん語られました。「失敗は成功の母」といいますが、失敗や困難に屈しないで、つぎの成功につなげようと奮闘する不屈性が発揮されていることを、この会議で私たちは感動をもって受け止めました。
わが党にとって、どんな時期も、安楽に前進できる時期というのはありません。不破哲三社会科学研究所所長の『日本共産党史を語る』が発刊されています。これを読むと、わが党の歴史が、文字通り、反動・反共勢力とのたたかいの苦難の歴史だったということがわかります。それを一歩一歩打開しながら、正確な科学的路線を築き上げ、前進をつくってきた先達たちの苦闘が、党史から伝わってきます。
全国の地区委員長のみなさんが、わが党の誇りある伝統である不屈性を発揮して、この歴史的選挙戦に立ち向かうことを、心から呼びかけるものです。
「わが地区をこう変える」という大志とロマンをもった活動
第二は、地区委員長が、「わが地区をこう変える」という大志とロマンをもって活動することの大切さです。
発言でものべられたように、地区ごとに、党活動の到達点はさまざまです。しかし、すべての発言から、綱領実現をめざして奮闘する地区委員長のみなさんの大志とロマンが伝わってきました。
発言のなかで、小選挙区でも勝利できる党にする、すなわち民主連合政府を担える党をつくる、こういう大志とロマンを地区党全体のものにしつつ、同時に、当面の選挙でも必ず勝つための目標も鮮明にして、取り組みを前進させている経験が語られました。そのために、当面の手立てをとりながら、若い人々や子育て世代のなかでの活動を特別に位置づけて、そのなかで党勢を倍加しているという発言は、印象的でした。
また、地区委員長として、地方議会対策に取り組み、地域の政治課題でも独自の活動に取り組み、文字通りその地域での党を代表する政治家として、生きいきと活動している経験も多く語られました。
地区委員長が、地区党会議、地区委員会総会でみんなで決めた「総合計画」にもとづいて、大志とロマンをもって活動する。その姿が支部と党員に伝わり、みんなを鼓舞(こぶ)激励する活動が大切だということが、討論で浮き彫りになりました。
特別の醍醐味のある仕事――苦労とともに喜びも大きい
第三に、私たちが感じたのは、地区委員長の仕事というのは、特別の醍醐味のある仕事ではないか、ということであります。
わが党は「支部が主役」の活動ということを一貫して追求していますが、支部を直接に指導、援助する仕事を担っているのは、地区委員会とその長であります。これは他のだれも代われない仕事です。地区委員長だけの“特権”です(笑い)。ここにはたいへんな苦労もありますが、前進したときの喜びは、支部や党員のみなさんと直接に結びつき、住民と直接に結びついているだけに、大きなものがあると思います。どの発言からも、苦労とともに、そうした喜びが伝わってきました。
討論をつうじて、地区委員長のあり方、醍醐味について、私たちも大いに学びました。お互いにも学びあいがおこなわれたと思います。選挙勝利のカギを握っているのは、ここにいる全国の県委員長と地区委員長、機関の長のみなさんです。ともに勝利のために奮闘しようではありませんか。(拍手)
3月8日までに二つの課題をやりきり、選挙勝利への道を開こう
まとめの最後に、三中総決定がよびかけた三月八日までにやりきるべき二つの課題についてのべます。発言のなかでも、選挙勝利、党勢拡大の課題をやりきって、選挙を勝ち抜く高い決意がつぎつぎに語られました。これをやりきる方針は三中総決定ですでに明らかですが、討論をふまえて、三点ほどのべておきたいと思います。
参院選も、いっせい地方選も、「全国は一つ」で勝利を
一つは、発言の中で、「『全国は一つ』の取り組みを提起してほしい」という要望が出されました。これはその通りだと思います。
参議院選挙はもとより、いっせい地方選挙でも、「全国は一つ」の見地で勝利を勝ち取ろうと、この場でよびかけたいと思います。すなわちすべての党員が、その所属する支部が責任を負う地域、職場、学園で党の支持を広げるとともに、日本中のあらゆる結びつきを生かして党の支持を広げることを、独自に重視して取り組むことをよびかけるものであります。
そのためには候補者一覧などの資材が必要となってきますが、これはすみやかに中央の責任でつくるようにしたいと思います。
得票目標実現のための活動とはどういうことか
二つ目は、得票目標実現のための活動とはどういうことかということです。
私たちがいま掲げている得票目標というのは、つぎの選挙で必ず責任を持って実現すべき得票の目標です。
それをやりきるには総合的な活動が必要です。国民要求にこたえた活動、政策論戦と宣伝戦、対話と支持拡大、党員と読者の拡大、後援会活動など、選挙勝利に必要なことを総合的にすべてやりきった結果として、得票目標が実現できます。
支持拡大というのは、それをやりきるうえでの不可欠の重要な活動の一つですが、支持拡大の積み上げが得票目標を超えれば、得票目標が達成されるということにはなりません。すべての都道府県、地区、支部で、得票目標を大きく上回る支持拡大目標をもって、それをやりきることが求められます。多くの支部の場合は、得票目標をやりきったかどうかは、選挙の後でも検証できない場合が多いわけです。しかし支持拡大目標というのは、やりきったかどうかがはっきりする目標になります。すべての機関と支部が、得票目標を大きく上回る支持拡大目標を持って、これをやりきることが必要です。三月八日までにやりきろうと提起しているのは、この支持拡大目標のことであります。
そしてそれもふくめて三中総の結語でのべたように、選挙勝利のための活動、党勢拡大の活動、二つの課題のすべてをやりきって、本番のたたかいにのぞもうというのが、三中総決定の提起であります。
一日一日が勝負を決めるという気持ちでがんばりぬこう
三つ目に、三月八日までという提起をしたわけでありますが、今日が一月六日ですから、そして二月は日が少し欠けていますから(笑い)、あと正味で数えますと六十日なんですね。ですから一日一日が勝負を決めるという気持ちでがんばりぬきたいと思います。
スピードが大切になります。三中総決定の徹底も、期限を決めてこれまでにないスピードでやりぬく必要があります。
今回の方針というのは、大会決定、二中総決定、十一月の幹部会決定をふまえて、これまでの取り組みを加速する方針です。ですから「走りながら徹底する」という見地が大切であります。
また、三中総初日の幹部会報告については、全国七千人の党員のみなさんが同時に視聴しているわけですから、都道府県委員会、地区委員会、支部と、段階を追って徹底・具体化するのではなくて、それぞれでいっせいに徹底・具体化し、足を踏み出しながら、方針を豊かにしていくという見地が大切であります。
同時に、急ぐけれども、あせらない――これも強調しておきたいことです。三中総の幹部会報告でのべたように、地区委員会総会を時間をとって開く、支部会議をすべての支部で開いて腑(ふ)に落ちるまでよく議論する、このことが最初の段階でしっかりやられたかどうかがカギになります。これをしっかりやることが一番の早道です。
全国が心を一つに奮闘し、二つの全国選挙の勝利をかちとろう
みなさん。十二年ぶりに開いた全国都道府県委員長・地区委員長会議は、重要な成果をおさめることができました。しかし、その成果が本当にはかられるのは、まず三月八日、つぎにいっせい地方選挙の結果、そして参議院選挙の結果であります。
二つの全国的選挙戦に必ず勝利して、この全国会議を、党史に残るような歴史的会議とする決意を固めあおうではありませんか。(拍手)
「全国は一つ」――全党が心を一つに選挙勝利に力をつくしましょう。私たち中央委員会も、みなさんとともに全力をつくしてこのたたかいでがんばりぬく決意をのべて、討論のまとめとします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)