2007年1月8日(月)「しんぶん赤旗」
主張
成人の日
若者が希望もてる社会ともに
新成人のみなさん、おめでとうございます。今年は全国で百三十九万人が、成人の日を迎えます。
日本共産党は、みなさんがそれぞれの夢にむかって前向きに挑戦されることを、心から応援します。
声をあげる若い世代
「夢をもって人間らしく生きたい」―若いみなさんに共通の願いでしょう。でも現実はどうでしょうか。
―人間をモノ扱いし、使い捨てにする非正規雇用、成果主義賃金や長時間労働。働くルールをいっそう壊す、労働法制改悪をねらう政府
―いじめ自殺や競争教育、進学の夢を奪う高学費。「愛国心」を強制し、教育内容への国家の無制限の介入をうたう教育基本法改悪の強行
―死傷者の止まらないイラク戦争と占領を「正しい」と言い張り、「任期中に憲法を変えたい」と宣言、「米国と一緒に海外で戦争する国」づくりをめざす安倍首相
若者の切実な願いが、大企業中心主義やアメリカいいなりの異常を特徴とする、ゆきづまった自民党政治によって、乱暴に踏みにじられている―このことがいま、鮮明になっているのではないでしょうか。
こうした現状を打開しようと、若い世代が声をあげ、行動し始めていることは、日本社会の現在と未来にとって、力強い希望です。
たとえば、青年雇用問題です。全国で、「人間らしく働きたい」と、集会やシンポジウム、雇用アンケート、国や自治体への要請行動などが、活発にとりくまれています。
たたかいを通じて貴重な成果も得ています。光洋シーリングや日亜化学の徳島で働く青年労働者らは、偽装請負で働かされていることを告発、直接雇用化を実現しました。全国チェーンの飲食店「すき家」で働く青年たちは、労働組合をつくり、解雇撤回などを実現しました。
『憲法九条を世界遺産に』という新書がベストセラーになるなど、憲法や平和をめぐる若者の関心も強まっています。「憲法九条をまもるべき」の声が世代別では二十代がもっとも多いことを、世論調査も示しています。憲法をテーマにした各地の講演会には数十人、数百人の若者が参加し、平和への熱い思いを交流しています。ピースウオーク、ライブやアート、映画など、多彩な活動が広がり、五十をこえる大学に「九条の会」がつくられ、発展しています。
若い世代のこうしたとりくみに共通しているのは要求から出発しながらもそれにとどまらず、問題の本質を見ぬきつつあることではないでしょうか。
偽装請負問題を追及した市田書記局長の国会質問(昨年十月十三日の参院予算委員会)に若者の共感が広がったのも、問題の本質が政治にあることを浮き彫りにしたからです。タカ派・改憲内閣としての姿をあらわにしている安倍内閣の支持率が、若い世代のなかで際立って低下していることも、偶然ではありません。
若い力が輝く選挙に
今年は、いっせい地方選挙と参議院選挙の年です。新成人のみなさんが初めて手にする選挙権で、「この現実を変えたい」という切実な思いを示す絶好のチャンスです。
日本共産党は、国会や地方議会でも、草の根の運動でも、若い世代の願いの実現へ、自民党政治の異常を大もとからただす立場で、力をつくしています。二つの全国的な選挙へ、若いみなさんの声を聞き、大いに語りあいたいと思います。
若者が希望をもてる社会へ、力をあわせようではありませんか。