2007年1月7日(日)「しんぶん赤旗」
仏大統領
イラク戦争がテロ拡張
外交方針演説で批判
フランスのシラク大統領は五日、パリで仏外交団を前に年頭恒例の外交方針演説を行い、米国が主導して遂行したイラク戦争について「テロに新たな拡張の場を与えた」などと厳しく批判しました。
大統領は「(開戦に反対した)フランスが予言し恐れたように、戦争は、いまだに結果が見えない混乱を招いた」とし、「イラク社会の亀裂を深め、国の一体性そのものを揺るがせている」と指摘しました。
また戦争は「(中東)地域全体の安定性を脅かし、周辺国も自国の安全と独立に不安を抱くようになっている」と警告し、「イラク人に全面的な主権を戻すことがいつにも増して優先課題になっている」と訴えました。
シラク氏は同時に、中東全体が「国際的な緊張の震源地」となり、「大規模衝突の危険を伴ってあらゆる紛争が結合」する恐れがあるとの危機感を表明しました。
なかでもイスラエル・パレスチナ紛争が、「あたかも新たな国際秩序が二重基準を内包しているかのように、イスラム世界全体に無理解と不正義の感情を生んでいる」との見方を示し、紛争の打開に向けて中東和平行程表(ロードマップ)を活性化させる緊急性を強調。そのための国際会議開催を提唱しました。