2007年1月6日(土)「しんぶん赤旗」

第三回中央委員会総会

志位委員長の幹部会報告


 日本共産党が四日、党本部で開いた第三回中央委員会総会での志位和夫委員長の幹部会報告と結語は次のとおりです。


はじめに――会議の目的について

写真

(写真)報告する志位和夫委員長=4日、党本部

 みなさん、あけましておめでとうございます。CS通信をご覧の全国のみなさんにも、心からの新年のあいさつをおくります。私は、幹部会を代表して、第三回中央委員会総会への報告をおこないます。

 今年は、いっせい地方選挙、参議院選挙と、二つの重大な全国選挙が連続する年となります。日本の進路にとっても、わが党の前途にとっても、まさに勝負の年であります。この激戦をかちぬくためには、従来の延長線上ではない構えと規模のとりくみが必要となります。一月四日という、文字どおりの正月早々から、こうした選挙勝利をめざす全国会議を開くのは、わが党の歴史のなかでも初めてのことでありますが、全党が心を一つにスタートダッシュするために必要だと考えて、お集まりいただきました。

 幹部会報告は、つぎの三つの主題でおこないます。

 第一は、大会から一年、内外情勢の進展のなかで日本共産党が果たしている先駆的役割を明らかにするとともに、二つの全国的選挙戦をたたかう政治的構えを確立することであります。

 第二は、二大選挙のうち、まず突破すべき関門であるいっせい地方選挙について、地方政治の新しい特徴と政治的対決の中心点を解明することであります。

 第三に、「支部が主役」の選挙戦をかちぬくために、どういう政治的構えで、どういう仕事を、どうやってやりきるかについて、問題提起をしたいと思います。

一、内外情勢の進展と日本共産党――大会から一年、選挙戦を展望して

 まず、内外情勢の進展と日本共産党の役割について報告します。

自民党政治の三つの異常をただし、情勢を前向きに動かす

 昨年一月の第二十四回党大会は、「自民党政治の三つの異常な特質」――過去の戦争への無反省、対米従属、大企業中心主義の異常を全面的に分析・告発するとともに、この異常の打開と日本の政治の根本的改革をめざすわが党の立場を明らかにしました。

 それから一年。党大会の分析と提起は、世界と日本の情勢の劇的な展開のなかで、大きな生命力を発揮しています。自民党政治は「三つの異常」のどの分野でもいよいよゆきづまりと矛盾を深め、ほころびや破たんが生まれ、「政治の流れの変化」がおこっています。そして日本共産党の奮闘が、情勢を前向きに動かす力となって働いています。

過去の戦争への無反省――今後の問題として首相に二つの点をもとめる

 第一に、過去の戦争への無反省という異常についてです。

 この問題をめぐっては、靖国神社への六年連続参拝によって日本外交を最悪のゆきづまりにおいこんだ小泉前首相に代わって、安倍新首相が誕生し、前首相の愚かな路線をひきつぐのかどうかが問われました。

 わが党は、国会質疑で、安倍首相の歴史認識について、正面からただしました。安倍氏が、首相就任前までとってきた行動は、「靖国」派そのものでしたが、首相という国を代表する職責についた以上、個人的な歴史観を優先させて、アジア諸国との友好を損なうことがあってはならないと、前向きの対応をもとめました。質疑のなかで、安倍首相は、戦後五十周年にあたっての「村山談話」、「従軍慰安婦」問題での「河野談話」を継承することを、公式に言明しました。こうした流れのなかで、日中首脳会談が再開されるなど、外交面での一定の積極的な変化がおこりました。

 同時に、これは問題の解決ではありません。その出発点にすぎません。私たちは、今後の問題として、つぎの二つの点を首相にもとめるものです。

 一つは、みずからの公式の言明を、行動で裏切ってはならないということであります。昨年十二月に入って、自民党議員でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が、「河野談話」の見直しをめざして会合を開きました。この「議員の会」には、中川昭一政調会長、下村博文官房副長官、山谷えり子首相補佐官ら、首相側近が顧問に名をつらねています。首相は、みずからの政権中枢から「靖国」派による逆流がつくられつつあることを放置すべきではありません。

 いま一つは、日中、日韓首脳会談で合意された、歴史認識の基本を共有する仕事に真剣にとりくむということであります。私は、昨年九月に、初の韓国への訪問をおこないましたが、そこでも両国国民間の歴史認識の大きな落差を感じました。韓国では若い世代も日本による植民地支配時代の歴史的事実を詳しく知っているのに対して、日本ではあまりに事実が知られていません。日中でも、日韓でも、両国政府間で、さらには両国国民間で、歴史認識の基本を共有することは、二十一世紀に東アジアに真の平和と友好を築いていくうえで、その土台ともいうべき重要な課題であることを強調したいのであります。

 日本共産党は、この間、歴史問題での逆流を克服し、アジア諸国との真の友好の関係を確立するために、一貫して努力をはらってきました。これは結党いらいどんな困難にも屈せず反戦平和をつらぬいた政党ならではの奮闘であります。この奮闘が情勢を前向きに動かす力となって働いたことを、大いに全党の確信にしようではありませんか。

アメリカいいなり――改憲の道は国民との矛盾を広げ、世界の流れに逆行する

 第二に、異常なアメリカいいなり政治は、安倍内閣でさらに危険な道にふみこみつつあります。

 安倍首相は、二期六年という任期中に憲法改定を実現すると宣言しました。期限を区切っての改憲の宣言は、戦後の自民党内閣でもはじめてのことです。

 同時にその狙いが明瞭(めいりょう)になりました。首相は、改憲の目的は、集団的自衛権の行使のためだと公言しました。まず憲法解釈を変えてある程度その行使ができるようにし、さらに憲法そのものを変えて天下御免で行使できるようにする――これが首相の公言するプログラムであります。こうした野望にむけた第一歩として、海外派兵を自衛隊の「本来任務」に格上げする自衛隊法改悪が「防衛省」法とセットで強行されました。これらの一連の動きは、「米国とともに海外で戦争をする国」づくりという憲法改定の行き先を明瞭にしめしています。

 この動きの危険性を直視しつつ、つぎの二つの点をとらえて、憲法擁護、平和擁護のたたかいをさらに発展させることが大切であります。

 一つは、平和を希求する国民との矛盾の広がりであります。草の根の「九条の会」の数は、昨年一年間で、四千から、毎月約二百の新たな結成がつづき、昨年十一月には五千六百を超えたと発表されました。「九条の会」が職場に広がってきていること、経済界、文化人、宗教者などこれまでにない幅広い層を結集して前進していることが、新しい特徴であります。五月三日、十一月三日など節目の日には、全国各地で合計数万人規模での憲法擁護の集会がもたれました。

 今年は、日本国憲法施行六十周年の記念すべき年であり、憲法改悪反対の一点での国民過半数結集をめざす運動の一大飛躍が強くもとめられます。そのさい、自公両党が民主党と共同で成立を狙っている改憲手続き法を許さないことは、直面する重大な焦点であることを、強調しておきたいと思います。

 「米軍再編」の名による基地強化・日米軍事一体化に反対する運動も前進しています。沖縄で計画されている新基地のV字形滑走路の双方向使用問題、岩国基地周辺でのNLP(夜間離着陸訓練)基地建設問題など、政府が国民にウソをついて基地強化を強要していることが明らかになったことは、住民の怒りの火に油をそそいでいます。岩国での住民投票の勝利につづき、横須賀でも住民投票条例をもとめる四万の署名が寄せられました。沖縄でも、知事選挙で基地強化反対を正面から掲げる候補者が大健闘し、「基地のない沖縄」を切望する県民世論の根強い広がりをしめしました。多くの関係首長が保守の人々もふくめて頑強に反対をつらぬき、一部の首長が住民の意思を裏切るなどの曲折がおこっても、それをのりこえて住民ぐるみの運動が前進しています。どこでも日本共産党がたたかいのよりどころになって奮闘しています。今年は、「米軍再編」への巨額の税金投入も国政の焦点となりますが、このたたかいを国民的運動に発展させるために力をつくそうではありませんか。

 いま一つは、憲法改定や軍事同盟強化への熱中が、二十一世紀の世界の流れにまったく逆行するということであります。この間、世界で現実におこった出来事をみれば、一方で、アメリカによるイラク侵略戦争と占領支配が、いよいよ破たんを深め、「内戦化」ともよばれる事態をひきおこしました。米国・中間選挙でブッシュ共和党が大敗北し、ラムズフェルド国防長官など開戦を主導した「ネオコン」グループの重要メンバーが失脚し、アメリカはイラク政策の見直しを余儀なくされています。どんな超大国でも軍事の力だけで世界を支配することはできない。このことが世界の前で明らかになりました。

 他方で、北朝鮮による核実験という危機がおこりましたが、この問題にたいする国際社会の対応は、わが党がいち早く主張した方向――一致結束して平和的・外交的解決をもとめるという方向に動いています。六カ国協議の議長国の中国、さらにアメリカが、それぞれ活発な外交努力を展開し、六カ国協議の枠組みでの解決への努力がはじまりました。交渉の前途には困難や曲折も予想されますが、この枠組みでの外交的解決が、朝鮮半島の非核化にむけた唯一の道理ある道だということは、国際社会の共通認識になっています。

 イラク問題と北朝鮮問題は、この双方で、日本共産党が打ち出した主張が、国際社会の大勢と響きあい、道理あるものであったことを証明しています。すなわち、二十一世紀の世界は軍事ではなく、外交こそが重要な意味をもつ時代となっているのであります。こうした世界の現状にてらしても、軍事同盟強化に熱中し、恒久平和主義という理想を先駆的に体現した日本国憲法第九条を捨てさることが、いかに世界の流れに逆行するかは明らかではありませんか。(拍手)

 大会決定では、新しい綱領での帝国主義論の発展をふまえて、第二期ブッシュ政権について、複眼的な分析をおこないました。米国が、一方で、イラクにみられるように軍事的覇権主義に固執しながら、他方で、対東アジア外交にみられるように、国際問題を外交交渉によって解決する動きがおこっているという分析であります。この分析の正確さは、この一年のアメリカの行動自身によって裏づけられました。

 綱領と大会決定は、アメリカの動向をリアルにとらえ、原則をつらぬきながら、柔軟な対応を可能にするうえで大きな生命力を発揮しています。わが党のアメリカ対外政策の分析の先駆性は、日本政府が、アメリカの軍事的覇権主義への追従だけに熱中し、その外交的対応が目に入らない、アメリカいいなりなのに、アメリカのことはよく分からない――それとの対比でも、鮮やかな対照をなしています。

大企業中心主義――貧困打開、生活防衛の国民的運動をよびかける

 第三に、大企業中心主義の異常について、大会決定では、「貧困と社会的格差の新たな広がり」の告発と打開をよびかけましたが、この問題は一大社会問題となりました。この問題の根源に、財界・大企業の横暴と、それを応援する自民党政治の責任があることも、少なくないメディアが公然ととりあげるようになりました。

 ここで強調したいのは、いま、貧困の深刻な広がりに目をむけ、その打開のために奮闘することは、国民の苦難の軽減のために献身するというわが党の存在意義にかかわる問題になっているということです。

 昨年、NHKテレビは、二度にわたって「ワーキングプア」の特集番組を放映し、大きな反響を呼びました。まじめに働いても生活保護水準以下の生活しかできない貧困層が激増し、十世帯に一世帯、四百万世帯を超えて広がっています。もはや貧困は、一部の国民の問題ではありません。病気、介護、老いなどの身近な出来事がきっかけで、国民のだれにもおこりうる問題となっています。また貧困は、若者、女性、高齢者、自営業者・農漁民など、国民のすべての階層をとらえて進行し、日本社会をむしばんでいます。

 こうした現状をふまえ、この中央委員会総会として、憲法二五条に保障された生存権をまもる国民的大運動――全国の草の根から、社会的連帯で貧困を打開し、生活を防衛する国民的大運動をおこすことを心からよびかけるものであります。(拍手)

 党として生活相談、労働相談にとりくみ、民主的諸団体・市民団体とも連携を強め、貧困への不安と怒りを運動化し、貧困打開のとりくみに力をつくしたいと思います。これは日本の情勢を根底から変える可能性をはらむたたかいです。そして、この運動を担える党、草の根から現に担っている党は、日本共産党しかありません。わが党の果たすべき役割と責任はきわめて重大であります。

 国民の暮らしをめぐる政治的たたかいとしては、今年は、つぎの二つの問題が熱い焦点となってきます。

 第一は、「庶民に増税、大企業に減税」という「逆立ち」税制をただすたたかいです。昨年、今年と、高齢者世帯を大増税と負担増の大波が襲い、日本列島で怨嗟(えんさ)の声がおこっています。そのさなかに安倍内閣が「初仕事」にしようとしていることは、昨年十二月の政府税調の答申にしめされたように、所得が減って苦しさをます庶民には増税と負担増をつづけながら、バブル期を上回る空前の利益をえている大企業には新たな大減税をほどこし、一握りの大資産家への特別減税を温存することです。この道は消費税増税につながる道にほかなりません。庶民から吸い上げ、大企業にばらまく「逆立ち」税制で、貧困と格差に追い打ちをかけることが許されるのか――このことがいま問われています。

 第二は、人間らしい労働のルールを求めるたたかいです。この間、わが党は、国民運動との連携で、「サービス残業」是正の通達につづいて、「偽装請負」でも是正の通達を出させる大きな成果をかちとりました。労働現場と国会論戦が連携して、職場から無法を一掃するたたかいが前進しています。

 これにたいして、財界と政府は、「ホワイトカラー・エグゼンプション」――事務職(ホワイトカラー)労働者の残業代をゼロにするという労働法制の大改悪法案を通常国会にも提出しようとしています。さらに日本経団連会長は、「偽装請負」を合法化する方向で労働者派遣法の改悪を要求しています。わが党は、職場の無法の一掃、労働条件改善をめざすたたかいを発展させるとともに、無法を合法化する労働法制の大改悪を許すな、この旗を掲げて、多くの労働者・国民とともにたたかいぬくものであります。(拍手)

教育基本法改悪と今後のたたかいについて

 つぎに教育基本法改悪と今後のたたかいについて報告します。

 昨年十二月、臨時国会において、政府・与党は、教育基本法改悪を強行しました。私たちはまず、戦後日本の教育史上最悪の歴史的暴挙にたいして、きびしい抗議と糾弾の声をつきつけるものです(拍手)。またこの悪法の推進者たちに、今年の全国選挙で審判をくだすことをよびかけるものであります。(拍手)

 たたかいは、これからが大切になります。改悪基本法の具体化に反対し、教育現場への押しつけを許さないたたかいにとりくむことが大切です。

 そもそも国家による教育内容への無制限の支配・統制をすすめる改悪基本法は、「人間の内面的価値に関する文化的営み」(最高裁大法廷判決)として、人間と人間との信頼にもとづき、自由で自主的な空間でおこなわれるべき教育の条理に反するものであります。全国一斉学力テスト、習熟度別指導、学校選択制、公立での中高一貫校の設置、教員評価システムなど、その具体化の一つひとつが、競争主義、序列主義の教育の矛盾を深刻にし、破たんせざるをえないでしょう。

 わが党が国会論戦で明らかにしたように、改悪基本法は、日本国憲法が保障する内心の自由、教育の自由に反する違憲立法であります。したがって、私たちが依拠すべきは日本国憲法そのものであります。教育内容への国家的介入を抑制したこれまでの教育基本法の第一〇条をはじめ、戦後六十年にわたってまもりつづけてきた教育基本法の原理は、憲法から直接に導かれたものであり、その精神は憲法の中に生きています。日本国憲法という大地に立脚するならば、改悪基本法から子どもをまもり、教育の現状を前向きに打開するたたかいの新たな前進の展望がみえてきます。

 今後のたたかいをすすめるうえで、この間とりくまれてきたたたかいから、つぎの二つの点を全党の確信にすることが大切です。

 第一は、国民が発揮したエネルギーの大きさです。改悪案の危険な内容が伝わったところでは、子どもの未来をまもる深いエネルギーが発揮されました。とくに、これが教育関係者の運動だけでなく、国民的運動として発展したことは重要です。多くの国民が、この法改悪をとおして、国家による「愛国心」の強制のどこが問題か、国家と教育の関係はどうあるべきか、競争と序列づけの教育でいいのか、いじめ克服のために何が必要なのかなど、教育の根本について考え、討論し、行動をはじめました。私は、この国民的経験は、今後にかならず生きる大きな財産であると確信するものです。

 第二は、日本共産党の果たした役割です。わが党は、二つの国会にわたる論戦で、憲法に背反する改悪基本法の本質、いじめ問題など国民が心を痛めている問題をどう打開するか、「やらせ質問」の告発と追及など、他に追随を許さない奮闘をしました。政府の法案は、道理も根拠も崩れてぼろぼろとなり、「やらせ基本法」ともよばれるほど倫理的にも深く傷つきました。わが党は、民主的諸団体と共同して、国民運動を発展させるうえでも力をつくしました。これらをつうじて、日本共産党にたいして、「子どもと教育について、どの党よりも真剣に誠実にとりくむ政党」という信頼が寄せられていることは、たいへんうれしいことであります。

 国民運動の広がり、わが党が果たした役割に確信をもち、日本国憲法に依拠し、教育の条理にたって、改悪基本法の具体化と押しつけを許さず、子どもたちの豊かな成長をめざす運動に、新たな決意でのぞもうではありませんか。(拍手)

政党状況の特徴と、二つの全国的選挙戦にのぞむ政治的構え

 つぎに政党状況の特徴と、二つの全国的選挙戦にのぞむ政治的構えについて報告します。

 今年の二つの全国的選挙戦――いっせい地方選挙と参議院選挙にむけて、わが党は、つぎの政治姿勢を堅持してたたかいぬきます。

自民党政治と正面から対決する力をのばす――安倍・自公政権の「脆(もろ)さ」と「弱さ」

 第一に、わが党は、この選挙を、自民党政治の平和と暮らしを壊す悪政に正面から立ち向かう力をのばす選挙と位置づけてたたかいます。

 安倍内閣は、史上最悪のタカ派・改憲内閣としての姿を、あらわにしています。それは昨年の臨時国会で、改悪教育基本法、「防衛省」法など、憲法に反する悪法を数の暴力で強行し、憲法改悪を正面の政治課題にすえていることにもしめされています。

 同時に、この内閣の「脆(もろ)さ」と「弱さ」も、すでに明瞭となりつつあります。小泉政権時代の自民党は、党内の一部勢力に「抵抗勢力」というレッテルを張り、偽りの「対立」をつくりだしながら、国民を欺く方法で危機におちいった自民党政治の延命をはかるという戦術をとりました。しかし、こうしたごまかしは、もはや限界にたっしました。「郵政造反議員」の「復党問題」に象徴されるように、安倍政権に代わって、こうした綱渡りはもはや続けられなくなりました。これまでの「うそとごまかし」がはがれ落ち、自民党政治の古い姿がそのままあらわれました。国民は自民党政治の正体を見抜き、安倍内閣は、支持を失いつつあります。

 公明党は、支持基盤の激しい崩壊がつづく自民党を組織的に支え、反共の尖兵(せんぺい)としての役割を果たしています。選挙の「実績」づくりと引き換えに、悪法の推進に手を貸すという反国民性と党略性が、この党の特徴であります。年金改悪を「百年安心」と宣伝し、その「財源」として「定率減税の廃止および年金課税の見直し」を最初に言いだしたのは公明党です。定率減税による増税は中堅サラリーマンを直撃し、年金課税強化はお年寄りへの大増税となり、因果応報といいますか、いま公明党には「増税戦犯」との激しい批判が集中しています。児童手当の拡大と引き換えに、「防衛省」法と改悪教育基本法の強行に応じた罪も忘れてはなりません。

「二大政党づくり」を本格的におしかえす――今日の民主党をどうみるか

 第二に、わが党は、二つの選挙をつうじて、自民・民主の双方から持ち込まれてくる「二大政党づくり」の動きを本格的に押し返し、自民党政治を大本から変える力をのばすことをめざしてたたかいます。

 ここで今日の民主党をどうみるかが重要であります。わが党は、二〇〇三年十月の総選挙のさいに、「日本の政治地図に大きな変化がおこった」と指摘しました。すなわち、民主党は、同年十月の自由党との合併を契機に、憲法改定、消費税増税、選挙制度改悪など、日本の進路にかかわる重大問題について、自民党政治と同じ流れに合流し、財界からもアメリカからも信頼されるもう一つの保守政党への変質をとげました。この変質は、財界主導で、財界のシナリオのもとに、財界の直接的な関与によってすすめられたものでした。

 その後の三年余りの動きは、わが党の批判を裏付けました。民主党を、自民党とともに、財界の直接支配のもとに組み込むシステムがつくられました。日本経団連は、毎年、「優先政策事項」なるものを発表します。つづいて日本経団連と自民党、民主党との「政策を語る会」が開かれ、そこに向けて両党は基本政策の「レポート」の提出が要求されます。そして両党への「通信簿」が五段階評価で決められ、企業献金があっせんされます。こうした財界による政党支配・政策買収のシステムがつくられ、民主党はそのもとにがっちりと組み込まれることになりました。

 二〇〇四年から〇六年にかけて、すでに四回にわたって「通信簿」がつけられていますが、それをみますと、民主党の「成績」は回を追うに従って上がっています。法人税率引き下げを検討する、消費税増税に必然的につながる消費税の福祉目的税化、社会保障費の抑制、混合診療解禁の容認や市場化テスト法案への賛成など規制緩和、教育基本法改定、憲法改定などの民主党の政策は、すべて日本経団連の要求にこたえ、その意向に沿う形でみずからの政策を変化させ、財界に誓約する形で打ち出されてきたものです。

 小沢代表のもとで民主党がいくら「対立軸」路線をかかげても、中身がしめせないのは、財界による支配システムに組み込まれ、めざしているゴールが自民党と同じだからであります。それは「マニフェスト」を「マグナカルタ」と言い換えたところで、変わることはありません。

 昨年の臨時国会でも、自衛隊を海外派兵隊に変質させた「防衛省」法、外資系企業の献金を解禁した政治資金規正法改悪に賛成したことは、悪政の共同執行者としての民主党の姿を浮き彫りにしました。教育基本法改悪問題では、わが党は、政府案に反対する一点での野党の連携につとめましたが、参院の最終盤では民主党は、それにも背をむける結果となりました。

 こうして三年余りの動きを検証してみても、三年前の民主党と自由党の合流が、それまでの民主党の性格を、いわばもう一つの自民党へと大きく変質させた、このことは明らかです。今日の民主党は、自民党政治の「三つの異常」を共有する政党であり、政治の基本でどちらかが「よりまし」とはいえないのであります。

 わが党は、国会内の対応で、与党の暴走を食い止めるうえでの野党間の連携は、条件があれば今後もすすめます。しかし、民主党がもう一つの保守党への変質を明瞭にしたもとでは、政権共闘はもとより、国政選挙での共闘も問題になりえません。自民・民主の合作としてすすめられている憲法改定のくわだてを打ち破るために、草の根から国民的多数派を結集し、改憲派を包囲・孤立させていく、このことが、今後数年を展望して国政の最重要の課題になっていることを強調したいと思うのであります。(拍手)

 社民党については、憲法改悪反対という一致点があり、わが党は、この問題での共同の門戸を開いてきました。しかし、社民党は、一昨年の総選挙につづき、今年の参議院選挙においても、民主党と選挙協力をすすめるという立場を明らかにしています。日本の政治の最大の対決点である憲法問題で、改憲の立場を鮮明にしている民主党との選挙協力は、みずから掲げている憲法改悪反対の旗印と矛盾することにならざるをえないのではないか。このことを率直に指摘しなければなりません。

日本共産党の役割、値打ち、全体像を広く国民に語り広げよう

 こうした政党状況とのかかわりでも、「たしかな野党」としての日本共産党の役割は、いよいよ鮮明となっています。

 自民党政治の「三つの異常」を根本からただす、「二大政党」が共同で推進する悪政に正面からたちはだかる、国民の要求にそくして現実政治を動かす、世界の道理にたった野党外交で世界の平和に貢献する――「たしかな野党」としてのかけがえのない役割を存分に発揮し、その値打ちを大いに国民に語り広げることが重要であります。

 同時に、「日本共産党はどんな政党か」――綱領、歴史、理念をふくめ、その全体像を広く国民に語り広げる活動をすすめたいと思います。

 今年の二つの全国的選挙戦で、自民党政治、「二大政党づくり」にたいして、二重の審判をくだすとともに、その最大の焦点は、どんな問題でも国民の利益にたって奮闘し、自民党政治を大本から改革するたしかな立場をもつ日本共産党がのびるかどうかにあることを、意気高く訴え、激戦をたたかいぬき、勝利をかならずつかもうではありませんか。(拍手)

野党外交の新しい発展――歴史と綱領のもつ生命力

 つぎに野党外交の新しい発展についてのべます。二〇〇六年は、日本共産党党首としては初の韓国訪問、第四回アジア政党国際会議への参加、パキスタンへの公式訪問、中国共産党との理論交流の発展、非同盟諸国首脳会議への参加など、わが党の野党外交を大きく発展させた年となりました。

 韓国とパキスタンを訪問して、私たちが何よりも痛感したのは、日本共産党の歴史と綱領が、世界のどこにでも通じるということでありました。

 韓国の訪問で、友好の最大の土台となったのは、日本共産党が侵略戦争と植民地支配に命がけで反対し、朝鮮独立のために連帯してたたかった歴史をもつ党であるということでした。私たちは、ソウルの延世大学で学生・院生のみなさんと交流する機会がありましたが、多く寄せられた感想は、「これまで日本人について、自分は悪い感情しかもっていなかった。しかしそれは間違いだった。日本国民のなかにも平和と良識の声があり、伝統があったことを初めて知った」――いわば「もう一つの日本を発見した」という感想でした。「日本共産党の支持率は7%ぐらいと聞いたが、その存在意義は7%よりはるかに大きい」と、わが党に期待する声も寄せられました。

 今回の訪韓によって日本共産党と韓国の交流の太い道が開かれたことが、今後の日韓両国国民の真の友好の発展に寄与することを、心から願うものであります。(拍手)

 パキスタンの訪問で、友好の土台となったのは、旧ソ連によるアフガニスタン侵略に反対をつらぬくなど、わが党の自主独立の伝統でした。それが、超大国の横暴のもとで、苦闘しながら自主的な国づくりのために努力してきたパキスタンで、心の通じ合う友人を得る基礎となりました。

 また私たちが、パキスタン政府・議会の首脳と話し合い、一致を確認した内容は、国連憲章にもとづく平和秩序、テロ根絶の合理的方途、地球的規模の核兵器廃絶、異なる文明間の対話・相互理解・平和共存など、新しい綱領が掲げている内容そのものでした。

 私たちは、この間の野党外交をつうじて、今日のわが党の活動が、党創立以来八十余年の先輩たちの苦闘にみちた歴史によってささえられていることを再発見し、そのことに大きな感動を覚えました。そして、新しい綱領が明らかにした世界論の生命力、平和と進歩の方向への世界の大きな構造的変化を、身をもって実感しました。

 わが党代表が昨年参加したアジア政党国際会議、非同盟諸国首脳会議という二つの国際会議では、旧来の少数の大国による軍事同盟をテコにした世界支配にかわって、東南アジア、ユーラシア大陸中央部、ラテンアメリカ、アフリカなど、世界各地に自主的な地域の平和共同体が形づくられ、国連憲章にもとづく平和秩序の力強い担い手となっている姿が生き生きと反映されました。

 一九九九年以来はじめた野党外交の方針――旧来の共産党間の交流の枠を超えて、相手が政権党でも野党でも、革新的な政党でも保守的な政党でも、相互に交流の意思がある政党とは広く交流をすすめていくという方針は、二十一世紀の世界の現状にかなったものであり、無限の発展の可能性をもっていると確信するものです。

 世界の平和と進歩のために、また日本国民と各国国民との交流・友好の発展のために、この分野でのとりくみをさらに発展させたいと思います。(拍手)

二、地方政治の新たな特徴と、政治的対決の中心点

 つぎに、地方政治の新たな特徴と、政治的対決の中心点について報告します。

自公民「オール与党」対日本共産党――政党配置の特徴

 まず地方政治における政党配置の特徴についてのべます。地方政治では、全国ほとんどの自治体で、自民党、公明党、民主党は、首長が提案する予算案などの議案に賛成する文字どおりの与党です。民主党は、国政では、政治の中身では与党でも、政府の予算案に反対するなど、形式上は野党ですが、地方政治ではほとんどの場合、文字どおりの与党となっています。社民党も、都道府県議会で議席をもつ二十八府県のうち二十一府県で与党であります。都道府県段階でみて、三十七都府県で日本共産党以外の政党はすべて与党――「オール与党」政治となっています。四年前は三十四都道府県でしたから、「オール与党」化がさらにすすんだことになります。

 知事選挙などで自公系候補と民主系候補が「対決」しても、ほとんどの場合、「オール与党」体制は変わりません。知事選挙で「オール与党」の「相乗り」選挙となっているのは十八府県であり、それ以外は、選挙のさいに、自公系の候補と、民主系の候補が「対決」する構図もつくられています。しかし、自民・公明・民主は、選挙で「対決」してもしなくても、勝っても負けても、終われば「オール与党」のさやにおさまるというのが特徴です。自民系候補が勝利した宮城県では、選挙後、民主党が予算をはじめほとんどの議案に賛成して与党になりました。民主系候補が勝利した神奈川県、埼玉県などでは、選挙後、自民党、公明党が与党になりました。

 いっせい地方選挙にむけて、民主党はいま、「相乗り」禁止の方針を打ち出しています。この方針すらまもられないで「相乗り」がつづく場合も少なくありませんが、選挙のときに仮に「対決」選挙となっても、自公民「オール与党」体制は変化しないというのが特徴なのであります。

 こうして地方政治における政党選択、政党対決の構図は、自公民(社)「オール与党」と、文字どおり唯一の野党である日本共産党との対決が、基本となっています。この政党対決の構図を、広く有権者に知らせることは、政策論戦の重要な土台となります。

 首長選挙の場合も、日本共産党をふくむ民主団体で構成する「会」の推薦候補であれ、党公認候補であれ、「オール与党」の陣営に正面から対決し、住民の願いにこたえる政策的合意を明確にして、日本共産党と保守をふくめた無党派の人々との共同でたたかい、勝利をめざすことが基本であります。

 地方政治の具体的状況は多様であり、地域によっては、他党との連携が、共同の一要素となる場合もありますが、その場合も、自民党政治から「住民が主人公」の方向に転換する政策的一致およびその保障を重視して、対応するものです。

地方政治をめぐる政治的対決の中心点について

 つぎに地方政治をめぐる政治的対決の中心点について報告します。

 「オール与党」政治は、一九八〇年代から全国の多くの地方自治体で支配的になり、「住民の福祉と暮らしをまもる」という自治体本来の仕事を投げ捨て、巨大開発に莫大(ばくだい)な税金を投入するという「逆立ち」政治をつづけてきました。

 とくに、この四年間の小泉「構造改革」路線の地方政治への押しつけは、こうした地方自治体の反動的な変質を一段と深刻にしました。つぎのいっせい地方選挙では、これを推進する「オール与党」と、住民の利益をまもる日本共産党との間で、つぎのような争点が問われてきます。

「住民福祉の機関」としての自治体の役割をまもるのか、投げ捨てるのか

 第一は、自治体独自の福祉の仕事を切り捨て、「官から民へ」のかけ声で公共福祉の仕事を投げ捨てる「地方行革」路線を許さず、「住民の福祉と暮らしをまもる」という自治体本来の仕事をまもり、充実させることであります。

 この間、全国の自治体には、政府・総務省が二〇〇五年三月に策定した「地方行革推進のための指針」がこれまでにない強権的なやり方で押しつけられ、全国95%の自治体で「集中改革プラン」が策定され、福祉と暮らしのための施策のいっせい切り捨て、業務の民間委託と民営化などが、加速しています。それは、「住民福祉の機関」としての自治体の存在意義を根本から否定するものであり、住民との激しい矛盾が広がっています。

 一方で、自治体独自の福祉と暮らしの施策の徹底した切り捨てがおこなわれています。国の高齢者世帯への大増税の押しつけにたいして、自治体が責任をもっている国保、介護、公共料金、敬老パスなどの福祉施策での負担増が、連動して押しつけられています。高齢者・障害者・母子家庭・生活保護など福祉の各分野で、自治体としてこれまでおこなってきた独自の上乗せ施策が冷酷なやり方で切り捨てられています。こうした攻撃を自治体当局と一体になってすすめるのか、住民の暮らしをまもる立場で奮闘するのかが、いま鋭く問われています。

 他方で、「官から民へ」のかけ声で、住民にとってなくてはならない公共サービスを民間委託・民営化し、統廃合していく動きがすすんでいます。都道府県段階では、公立高校や保健所の統廃合、市町村段階では、保育所、学校給食、公共交通の民営化・統廃合などであります。行財政の効率的な運営は、当然追求されるべきでありますが、「効率」の名で福祉や教育などの公共性の高い行政サービスの責任放棄をすることは絶対に許されません。ここでも暮らしをめぐる鋭い対決が、全国で問題となっています。

大企業の「呼び込み」と巨額補助金――新しい形での「逆立ち」政治をただす

 第二に、大企業の「呼び込み」のための巨大インフラ(社会資本)整備、誘致補助金のばらまきが、全国で競い合っておこなわれています。住民福祉を切り捨てて大企業に奉仕する新しい「逆立ち」政治の是非が問われています。

 「国際競争力の強化」を名目にして、都市再開発、大都市環状道路、高速道路と鉄道、巨大港湾、国際空港など、大企業「呼び込み」のインフラづくりのための公共事業の新たな浪費がすすめられています。無駄なダムに象徴される「従来型」の公共事業の浪費も全国各地で温存され、切り捨てられているのは住宅整備、学校の耐震化、生活道路など「生活密着型」の公共事業となっています。

 破たんした「呼び込み」型開発の後始末のために、巨額の税金が投入されるとともに、この数年来、とくに顕著になっているのは、大企業誘致のための補助金のばらまき競争が激化していることであります。調べてみますと、全国四十三道府県がそのための補助制度をつくっており、補助金の限度額が十億円以上が二十五県、五十億円以上が五県となります。くわえて特別減税の恩典もつきます。神奈川県に本社・工場、研究所を移した日産自動車は、たった一社にたいして、県と市から百六十九億円もの県民の税金が、誘致補助金・減税という形でそそがれようとしています。

 住民福祉を切り捨て、大企業むけインフラに巨額の税金を注ぎ、さらに誘致のためと称して札束をばらまく――こうした新しい形での「逆立ち」政治をただすことは、この選挙の重大な争点の一つとなっています。

税金を食い物にした腐敗――談合汚職の一掃、不公正な同和行政の完全終結を

 第三に、住民犠牲のこうした「逆立ち」政治を押しつけながら、相次ぐ談合汚職、不正事件など、税金を食い物にした腐敗と堕落が、自治体当局と「オール与党」の共犯ですすめられ、国民の大きな怒りの的となっています。

 全国各地で官製談合、税金の不正支出が明るみに出されました。福島県、和歌山県、宮崎県では、県知事が直接関与した官製談合が発覚し、辞職・逮捕となりました。「オール与党」議会は、腐敗・不正へのチェック機能を放棄するだけでなく、巨額の裏金問題など、議員自身が不正と汚職にみずから関与している例も少なくありません。

 大阪市、奈良市、京都市で、「部落解放同盟」の幹部や組織がらみの不正や不祥事が相次いで明るみに出ました。「解同タブー」はいよいよ崩れました。同時に、国が同和対策を終了して五年たつのに、地方では不公正な同和行政がなおはびこっていることを直視しなければなりません。「解同」と民主党との癒着はとくに激しいし、自民党、公明党、社民党など「オール与党」諸党が不公正な同和行政の温存に手を貸しているところが少なくありません。わが党は、どんな圧力にも屈せず、長年この不正と正面からたたかいぬいてきた唯一の党として、地方自治体での「解同」の無法の一掃と、不公正な同和行政の完全終結をもとめて、この選挙をたたかうものであります。(拍手)

 わが党が告発した石原都知事の都政私物化・闇献金疑惑は、国民的批判の的となっています。東京・目黒区の公明党区議団全員が、政務調査費の不正取得で議員辞職し、この問題での不明朗・不正な支出も全国で問題となっています。観光旅行まがいの豪華海外視察が、「オール与党」議員の参加で、全国各地でおこなわれていることも重大であります。こうした不正や浪費も、ただちに一掃すべきであります。

国による地方自治と地域社会の破壊から住民と地域をまもる

 第四は、国政による地方自治、地域社会の破壊を許していいのかという問題であります。いま、国政による文字どおりの地方切り捨てが、つぎのような特徴をもってすすめられています。これとたたかい、安心して住み続けられる地域社会をまもることが、多くの住民の切実な課題となっています。

 一つは、国政による地方自治体への攻撃であります。いわゆる「平成の大合併」によって、三千二百三十二あった市町村が、三月には千八百七市町村まで減少します。このもとで、住民サービスの後退や、周辺地域の衰退、地域社会の崩壊などを食い止め、住みやすい町をつくることが、切実な問題となっています。

 「三位一体の改革」の名で、国の責任放棄につながる教育や福祉の補助負担金の削減、地方交付税の一方的削減がおこなわれ、自治体財政に大きな困難をもたらしています。地方自治体への財政的締め付けをやめさせ、とくに地方交付税の財源保障・調整機能を充実させることは、国政上の重大課題であります。

 これらの地方自治体への制度的・財政的な攻撃は、国政の舞台で、自公両党とともに、民主党がいわば尖兵となってすすめている事実を、指摘しなければなりません。民主党の主張は、「基礎自治体を三百にまで減らせ」、「地方交付税の対象は自治体の半分にまで減らせ」、「補助金は全廃しろ」という、政府以上に地方自治破壊をむきだしにしたものとなっています。民主党の国政における地方自治破壊の立場は、地方政治における「オール与党」の立場と一体のものであります。

 いま一つ、国政による地域社会そのものの破壊も深刻になっています。「構造改革」路線のもとで、都市でも農村でも、地域に人が住めなくなる崩壊現象がいたるところにおこっています。地域医療の崩壊現象がすすみ、全国二百二十四の公立・公的病院で廃止・休止が計画され、この三年間でお産のできる病院・診療所が約五千から三千に減少しました。公的言明を投げ捨てて、郵便局の集配業務の廃止が、全国千四十八局を対象にすすめられ、住民と党のたたかいで延期させたところもありますが、廃止の動きはつづいています。公共交通をめぐっても、都市部でも、農村部でも、住民のかけがえのない足となっている公営バスの廃止が大問題になっています。大型店の野放図な出店や撤退により、町の中心部でも郊外でも、地元商店街を中心とした地域コミュニティーの破壊がすすんでいます。

 こうした国による地域破壊に反対して、保守の人々とも共同した、町づくりの運動が全国でおこっています。安心して住み続けられる地域社会をまもっていくうえでも、日本共産党の役割はきわめて重大であります。

日本共産党地方議員団のかけがえない値打ち

 こうして、あらゆる分野で「オール与党」政治と住民生活との矛盾が深刻になるもとで、三千三百人を超える日本共産党地方議員団の果たしている役割は、文字どおりかけがえのないものであります。さまざまな角度からその値打ちを光らせて、住民のみなさんに伝えていくようにしたいと思います。

 いろいろな角度がありますが、その一つは、全国で「住民こそ主人公」でがんばるこれだけの議員が、草の根の運動とむすびついて奮闘すれば、全国の自治体の動向を左右するような成果がかちとれるということであります。四十七都道府県・千六百十六自治体まで広がった子どもの医療費助成制度、少人数学級、介護保険の利用料・保険料の減免、国が切り捨てた障害者福祉の独自の上乗せ制度の創設などは、住民運動とわが党議員団の共同の粘り強いたたかいによってかちとられたものであります。

 二つ目に、「オール与党」議会のなかで、わが党議員団は、住民の声を議会に届ける唯一のかけ橋となっています。たとえば、議会への請願は、住民の声を直接届ける重要な権利ですが、この紹介議員という仕事をほとんど一手に引き受けておこなっているのが日本共産党地方議員団であります。どこでもダントツの奮闘ぶりですが、わが党の議員がいなくなるとこのかけ橋がなくなってしまいます。たとえば愛知県では、県議団が存在した四年間では二百四十七件あった請願が、議員空白となったら二十四件に激減し、合計で百四十万人もの県民の署名が無視されることになりました。逆に空白議会を克服した島根県では、その前の四年間の十九件から七十三件の四倍になり、その請願が採択され県政を動かしはじめています。一人でも日本共産党議員がいるといないとでは天と地ほどの差がある。このことを大いに訴えていくことが大切であります。

 三つ目に、日本共産党議員団の存在は、どんなタブーも恐れず、「オール与党」政治にたいする議会のチェック機能を果たすうえでもかけがえのないものであります。全国各地で、談合や裏金問題の追及の先頭にたっているのは、共産党議員団です。わが党は、長年にわたって「解同」の不正・腐敗に勇気をもってたちむかい、ついに「解同タブー」を打ち破りつつあります。東京都の石原知事の都政私物化などの実態を明らかにし、「石原タブー」も過去のものとなりつつあります。こうした働きができるのは、文字どおり日本共産党だけであります。

 地方財政が深刻なことは事実でありますが、全国の自治体が、全体として福祉の大幅削減が不可避なほど、お金がないわけではありません。「オール与党」自治体にないのはお金ではなく「福祉の心」であります。「逆立ち」政治をただせば、住民の暮らしに必要不可欠な福祉のための財源はまかなえます。「福祉の心」をもって奮闘する日本共産党地方議員団の議席をまもり、増やすために力をつくそうではありませんか。(拍手)

三、「支部が主役」で選挙戦に必ず勝利を

いっせい地方選挙、参議院選挙にむけた選挙戦の様相と、政治的構え

 つぎに、「『支部が主役』で選挙戦に必ず勝利を」という主題で報告をいたします。まず、いっせい地方選挙、参議院選挙にむけた選挙戦の様相と、政治的構えについてのべます。

選挙戦の激しさと厳しさを直視し、どの党にもまけない政治的構えととりくみを

 第一に強調しておきたいのは、各党がいっせい地方選挙を参議院選挙の前哨戦と位置づけて、かつてない激しい政党間のたたかいとなっており、まずここを直視し、激しい政党間闘争にかちぬく攻勢的な構えを確立してのぞむということです。昨年十一月の幹部会では、「いまが選挙」と、緊迫感をもったとりくみを訴えましたが、いっせい地方選挙に向けた様相は、まさに現瞬間が選挙戦の勝敗を分けるただなかにある、という激戦となっています。

 自民党は、多くの選挙区で候補者を大量擁立し、参院選をにらんで、崩れつつある自民党支持基盤の再構築と保守票の掘りおこしを狙っています。県庁所在地や大都市部の県議選をみても、多くの選挙区で前回を上回る候補者を擁立しています。東京の区議選挙では、自民党都連は全議席の「過半数確保」の指示を出し、現有議席をはるかに上回る候補者を擁立しています。各地で自民党は、「たとえ共倒れになっても、競い合って自民党の票を増やせ」という大号令をかけて、この選挙にのぞんでいます。

 民主党にとっては、今回のいっせい地方選挙は、民主党と自由党の合併後の初めての選挙であり、地方議会での新しい政治勢力としての本格的な地歩確立を狙っています。民主党の現時点の県議数は三百四十三人ですが、県議倍増をめざし「七百人から八百人の公認候補をめざす」としています。東京の区議選でも、民主党は、現有議席の倍以上の候補者を擁立し、大量議席増をめざしています。

 このなかで共産党落としの反共シフトの強化も直視する必要があります。わが党が現有議席をもつ選挙区で、自民党、民主党が大量に立候補し、公明党が新たに立候補し、わが党を落とすという布陣をつくろうという動きも各地でみられます。同時に、わが党が現有議席をもつ選挙区で公明党が立候補しない選挙区は、県議選挙区でみて十五県二十七選挙区あります。ここは、昨年十二月の茨城県議選の取手選挙区の経験からみても、わが党候補の落選のために公明支持票を動かすことを念頭におき、そういう動きがおこってもそれを上回る規模での攻勢的なとりくみが必要になることも強調しておきたいと思います。

 こうしたもとで、わが党が、どの党にも負けない政治的気迫と構えを確立し、どの党をも上回る規模の選挙戦を展開し、激戦を競り勝っていくことがもとめられます。選挙戦の情勢の激しさと厳しさを直視しながら、恐れず正面から立ち向かえば、この激戦を制する条件があることに確信をもち、攻めに攻めて勝利をつかむことが大切であります。とくに機関の長と候補者が、こうした戦闘的構えを確立するかどうかは、選挙戦の全局を左右することになります。

 政党間の激しいつばぜり合いでありますが、それぞれの党は、国民との関係で深刻な矛盾をかかえています。自民党の大量立候補は、支持基盤の激しい崩れを、宣伝・組織活動の強化で乗り切ろうという対応です。公明党もまた、国政・地方政治の両面での与党としての「負の実績」にまみれ、「逆風」にさらされています。

 民主党は、「二大政党の選択」、「二大政党の対決」を地方選挙にも持ち込むことを基本戦略においています。昨年末の茨城の県議選では、「茨城県議会議員の多数が自民党。やりたい放題の現状では、議員本来のチェック機能が働きません」などという法定ビラを配布して、あたかもみずからを野党であるかのように有権者を偽って選挙戦を展開しました。しかし、もともと地方政治には、自民党と民主党との間に、いかなる「選択」も「対決」もなく、両党は行政への「チェック機能」を放棄した「オール与党」仲間にすぎません。この党もこういう深刻な矛盾を抱えています。

 わが党が、選挙戦の激しさと厳しさを直視するとともに、相手のもつ矛盾もよくとらえ、やるべきことをやりきれば、勝利への道は開かれます。茨城の県議選では、各党が本部も乗り出して、しのぎを削った大激戦となりました。わが党は、現有二議席を、水戸選挙区では自民党を共倒れに追い込んで確保し、つくば選挙区では民主党に競り勝って確保し、立候補した四つの選挙区すべてで四年前に比べて得票を伸ばしました。この経験には多くの学ぶべきものがあります。

 昨年一年の中間地方選挙の結果も、全体として前進の流れをつくりだしています。わが党は、三百五十八選挙区に六百十九人が立候補し当選者は五百二人、自民党二百六十二人、公明党三百八十七人、民主党九十六人、社民党七十七人と比較して第一党です。議席占有率は、6・79%から7・92%に1・13ポイント伸ばしました。

 とりわけ重要なことは、得票が四年前の選挙を上回った選挙区が70%に達し、得票合計では四年前選挙比で108・2%と全体として前進したことです。一年を通じて中間地方選挙の得票合計が、前回選挙を上回ったのは、実は二〇〇〇年以来、六年ぶりのことであります。ここで後退から前進に転じたことは、奮闘いかんではいっせい地方選挙での前進が可能であることをしめすものであります。

自治体再編などにともなう新しい条件にそくした攻勢的なとりくみを

 第二に、自治体再編などに伴う新しい条件に即した攻勢的なとりくみの重要性を、強調しておきたいと思います。

 わが党が議席をもっている選挙区で、定数が削減される選挙区は、前半戦で、県議十三県十五選挙区、政令市で五市二十選挙区あります。新たに政令市となった新潟市、浜松市、静岡市、堺市では、分区されて定数の少なくなった選挙区でのたたかいとなります。

 現有議席をまもるためには、これまでの得票を二倍、三倍にすることがもとめられる選挙区も少なくありません。ここでも新しい条件に挑戦する開拓者の意気込みととりくみが必要であります。二〇〇五年の都議選で、二人区で勝利した文京区と日野市の教訓を思い起こしますと、文字どおりの全有権者を対象に、またあらゆる階層を対象に、要求にもとづく活動と党を語るとりくみを展開し、これまでにない保守層や無党派層の幅広い支持を獲得するための、攻めに攻め抜いたたたかいをやりきって勝利をつかんでいます。

 定数増で新たな議席獲得の可能性が広がった選挙区もあります。県議では空白県もふくめて十四県十八選挙区、政令市では二市二選挙区であります。定数増のところは、定数増なりの党派間のたたかいの激化がおこります。増えた定数は共産党のものというわけではありません。新しい様相での政党間闘争の激化がおこる。それに競り勝たないと、現職区でも逆に落とすことになります。茨城県議選では、つくば選挙区で、定数が三から四に増えましたが、ここでは公明党が新たに立候補し、わが党も大いに奮闘して票を伸ばし、接戦を制しての勝利となりました。定数増で生まれた新たなチャンスは絶対に逃さない積極果敢なとりくみを訴えたいと思います。

いっせい地方選挙と参議院選挙との関係について

 第三は、いっせい地方選挙と参議院選挙との関係についてであります。

 この問題で一つ目に強調したいのは、いっせい地方選挙まであと三カ月という現時点では、この第一関門突破を前面にすえて、何としても勝利の扉をこじ開けるということです。ここで日本共産党前進の流れをつくれるかどうかが、参議院選挙の結果を左右することになります。

 重視してほしいのは、いっせい地方選挙と参議院選挙が連続するというのは、攻勢的に構えるならば、たたかいやすい条件でもあるということです。国政選挙の場合には、「自民か、民主か」という「二大政党」づくりのキャンペーンが展開され、マスメディアでもそれが増幅されるなかで、自公政権への審判と、「二大政党」づくりへの審判という二重の審判を訴えながら、わが党の議席の値打ちを語り、前進をめざすたたかいとなります。

 地方選挙にも、「自民か、民主か」という「選択」は持ち込まれますが、これは先ほどのべたように「オール与党」という明々白々の実態を隠した、有権者を偽るものであり、自民と民主がまったく同じ陣営の勢力だということは、国政選挙に比べてわかりやすいものであります。わが党が本格的に構えれば、国政選挙に比べてもわが党がこのキャンペーンを打ち破って前進する条件は大いにあります。いっせい地方選挙で、日本共産党の前進の流れをつくることに成功すれば、つぎのたたかいでの前進への道が開かれてくる、ということを強調したいのであります。

 同時に、いま一つ強調したいことは、「参議院選挙はいっせい地方選挙が終わってから」という「段階論」に絶対におちいってはならないということです。全国すべてでたたかわれる選挙戦は参議院選挙です。いっせい地方選挙がない地域の党組織は、応援のための力の集中とともに、文字どおり参議院選挙を正面にすえたとりくみが必要であります。

 「段階論にならない」というのは、政治論戦のうえでも大切です。二大選挙に共通する土台は、「比例を軸に」ということであります。すなわち日本共産党そのものへの支持を拡大することであります。そのためには、いっせい地方選挙の政治戦そのものも、大きく国政論での党の値打ちを語りながら、地方政治での党の値打ちを語ることが重要です。日本共産党とはどんな党か――歴史、綱領、全体像を大いに語る。有権者からみますと、国政と地方政治での政党の値打ちを区別してみているわけではなくて、それは一体的に評価されるわけです。

 この意味からも、二つの全国的政治戦を、「比例を軸に」を共通の土台としながら、それぞれの勝利に必要なことを独自にとりくみ、相乗的に推進することが大切になってくることを強調しておきたいと思います。

3月8日(前半戦投票日一カ月前)までにやるべき二つの課題を提案する

 以上、基本的な選挙戦にのぞむ政治的構えについてのべましたが、そのうえにたって当面やるべき課題について提案します。

 すでにのべてきたように、二大選挙の最初の関門であるいっせい地方選挙は、国政での自民党政治のゆきづまり、地方政治での「オール与党」政治の矛盾と破たんの広がりのなかで、「政治の新しい流れ」がおこり、それをとらえつくした奮闘をやりきれば、わが党の新たな前進の可能性が大いに存在する選挙です。

 同時に、政党間の激烈なたたかいの様相、反共シフト、定数削減などの新しい条件のもとで、主体的奮闘が及ばなければ後退もありえます。どんな情勢が展開しても、自力で「風」をおこして勝利をつかむ不退転の決意ととりくみが必要であります。

 こうした立場から、いっせい地方選挙の前半戦の投票日、四月八日の一カ月前――三月八日までに、全党がつぎの二つの課題をやりきることを提案するものです。

 第一は、選挙戦の勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動をやりきるということです。得票目標の実現をめざし、すべての支部で演説会・小集会・懇談会に一日も早くとりくみ、要求にこたえた活動、大量宣伝に旺盛にとりくむとともに、対話・支持拡大の目標をやりきります。すべての支部で後援会員を拡大し、単位後援会を確立し、ともにたたかう体制をつくります。三月八日を「投票日」にみたてて、勝利に必要な活動をやりきり、さらに本番にむかって、より広い有権者に働きかけ、「広げつつ固め、固めつつ広げる」という本来の組織戦を発展させたいと思います。

 四年前のいっせい地方選挙では、一月七日の都道府県委員長会議で、この呼びかけをおこない、全党の本格的な努力が開始されましたが、それから二カ月後の到達は目標達成にかなり距離を残しながら、選挙戦本番のたたかいに入りました。

 今回は、昨年十一月の幹部会決定にもとづく実践が全国で開始されつつあります。昨年末までのとりくみで、60・8%の支部が対話・支持拡大を開始し、32・5%の支部で支部主催の演説会・小集会・懇談会がおこなわれ、合計しますと十八万八千人の方々がこれに参加しています。選挙勝利にむけた緊迫感をもったとりくみが開始され、たくさんの豊かな教訓がつくられるなかで、私たちは新しい年を迎えました。今度こそこの活動をやりきって、確実に勝利への道を切り開こうではありませんか。

 第二は、すべての都道府県、地区委員会、支部が、「しんぶん赤旗」の日刊紙でも日曜版でも、少なくとも前回のいっせい地方選挙時を上回る陣地を築くということです。また、すべての支部が一人以上の新しい党員をむかえて、党に新鮮な活力をむかえいれ、意気高く選挙戦をたたかうということであります。

 党勢拡大のとりくみの現状は、昨年十一月の幹部会決定にもとづいて、全党で努力がいっそう強められましたが、全党的には、十一月、十二月とも、前進まであと一歩という到達でした。そのなかでも、東京、埼玉、神奈川、石川、愛知、大阪、奈良、香川、長崎、熊本の十都府県が、読者拡大で、十一月、十二月と二カ月連続で前進し、全国百二十五地区委員会(39・7%)が二カ月連続で前進していることはたいへん重要であります。すなわち、全党で四割近い地区委員会は、「支部が主役」で読者拡大を安定的な軌道に乗せつつあります。これをこの会議を契機にすべての地区委員会に広げ、全党的に党勢拡大の大きな上げ潮をつくりだしながら、選挙をたたかうことが強くもとめられます。

 選挙に向けて党勢拡大で上げ潮をつくることは、党に活力と自信をもたらすとともに、みずからの力で「風」をおこして勝利をつかむ最大の力となります。昨年の中間地方選挙で、日曜版読者で前回時比を上回って選挙をたたかったのは四十三選挙区ありましたが、そのうち比較できる三十三の選挙区では得票合計を前回比で134・2%に増やしています。前回比を上回るような勢いをつくれば、かなり大幅な得票増につながってくる。党勢拡大で前進の勢いをつくれるかどうかは、党の活力の最大のバロメーターにもなります。激戦をかちぬく根本の力を強める活動に、全党が新たな決意でとりくむことを心から訴えるものであります。

「支部が主役」の選挙戦――この一年間の努力を花開かせよう

 それでは、この二つの課題をどうやってやりきるか。選挙の鉄則は、すべての党員、すべての支部が自覚的にたちあがれば、勝てない選挙はないということです。党大会以来とりくんできた「支部が主役」の党活動を、選挙本番の時期にふさわしい「支部が主役」の選挙戦へと発展させることが、二つの課題をやりきる最大の保障であります。

 党大会から一年間、全党は、「選挙で勝てる、強く大きな党」をめざし、四月の「職場問題学習・交流講座」、七月のすべての地区委員長からのアンケートにもとづく二中総の提起など、「支部が主役」の党建設のとりくみを発展させるために、新たな探求をはかってきました。私たちは一年間のとりくみで、これまでにない新たな発展の豊かな芽、活力が、全党に生まれていることを実感しています。それらをお互いによく学び、選挙にむけて花開かせれば、かならず大きな前進をつくることができると確信するものです。

 報告では、大会決定と二中総決定をうけて、「支部が主役」の党活動の本格的な発展をかちとりつつある地区委員会の経験に学び、三つの努力方向を提起したいと思います。

綱領・決定の学習と討議を、元気のでる政治指導を最優先させる

 第一は、綱領・決定の学習と討議、元気と展望をつかむ政治指導を、いついかなるときでも最優先させるということです。

 二中総では、「決定の読了が過半数まですすめば、党が変化する」という教訓を党づくりの土台として提起しましたが、これが新鮮な意欲を生み出して、一定の変化が生まれ、綱領、二中総決定で、過半数の党員が読了した地区委員会が広がりました。

 兵庫県・但馬地区では、綱領、二中総決定で読了が過半数を超えましたが、ここでは決定を地区委員会総会で繰り返し討議し、八割を超す地区役員が自分の言葉で大事だと思うところを住民や地域の実態もまじえて語るとりくみをすすめています。このことが力になって、過半数の党員が、地区委員会が独自にすすめている「医師確保・公立病院守れ署名」にとりくみ、得票目標にみあう一万八千筆を集めるとともに、読者拡大では五割を超す支部が成果をあげています。

 党機関で繰り返し決定を討議すること、生きた情勢の進展もまじえて自分の言葉で語ること、この二つがすすんだ経験の共通した教訓であります。どれだけの党員に決定を伝えきるかが、選挙をたたかう根本の政治的力を決めることになります。いっせい地方選挙、参議院選挙に向け、綱領と決定の全党員への徹底に力を注ごうではありませんか。

「支部が主役」の活動の豊かな広がりを、選挙勝利に結実させよう

 第二は、この一年間、「支部が主役」の活動が、豊かな内容をもって多面的に発展しており、その教訓を全党に広げるとともに、選挙本番にふさわしいとりくみへと発展させていくことです。報告では、大会決定、二中総決定をふまえた地区委員会の教訓を、つぎの五点にわたって紹介したいと思います。

要求をとらえた多彩なとりくみの広がり

 一つは、要求をとらえた多彩なとりくみの広がりです。「政策と計画」をもった支部の多くが、実に多種多様な形で、地域住民の切実な要求、職場の切実な要求に目を向け、それを取り上げた活動にとりくんでいます。住民アンケート、対自治体交渉、宣伝活動など、多様なとりくみを広げ、住民の要求の切実さと、党への期待の高まりを実感し、活動を発展させています。要求にこたえた活動こそ一番の原点です。

 奈良県の北和地区では、二中総決定を討議、具体化するなかで、選挙勝利に向けた戦略的課題として、住民アンケート、地域ウオッチングを位置づけてとりくみ、道路問題の対市交渉で改善をかちとり、このことが党が新鮮な活力をもって前進をはじめる大きな契機となりました。京都府の伏見地区では、五割の地域支部で住民アンケートにとりくみ、支部の存在意義に誇りを持ち、自覚を高め、活動参加を増やし、前進をつくっています。

 選挙をたたかううえでも、住民の切実な要求をつかみ、その実現のために住民と力を合わせて奮闘することは、すべての活動の原点であります。

「職場講座」を力にした職場支部の活性化

 二つ目は、「職場講座」を力にした職場支部の活性化です。職場要求にもとづくたたかいに生き生きととりくみ、党勢拡大でも前進を開始している経験が、全国どこでも生まれています。とくに、「政策と計画」をもった職場支部が、三割台から大きく前進して五割を超えたことは、たいへん重要であります。また、教育基本法改悪反対のたたかいで、職場支部が確信を深め、活力を大きく高めていることも積極的な変化であります。

 職場支部の活性化は、選挙戦を展望しても、「日本は一つ」の活動で、党全体をひっぱるたくましい力が生まれつつあることをしめすものです。「講座」の内容を全支部のものとし、すべての労働者党員が、この歴史的選挙で勝利をかちとるけん引車として奮闘することを心から呼びかけるものです。そのために、党機関の指導姿勢として、「講座」で提起した三つの点――第一に、苦労に心を寄せ、実情を聞くこと、第二に、短期の目でみずに、長期の目で援助すること、第三に、職場支部の活動を励ます党機関としての独自のとりくみをおこなうこと――これらの点を、選挙戦に向けた指導においても堅持することが重要だということを強調しておきたいと思います。

支部会議の定例化なくして「支部が主役」の活動なし

 三つ目は、支部会議の定例化なくして「支部が主役」の活動なし、ということであります。支部会議は、党員が力を合わせて困難を打開し、成長していく場であり、温かい人間的連帯をはぐくむ場であり、この定例化に執念を燃やしてとりくむことが、手間がかかるようにみえても党活動発展の一番の早道です。選挙を前にして、すべての支部が支部会議を定例化し、週一回開催することこそ、支部が選挙戦にたちあがっていく最大の臨戦態勢です。

 支部会議の定例化に努力し、本腰を入れてとりくんだ地区では、三、四カ月で目覚ましい変化をつくっています。秋田県の仙北地区では、常勤者が地区委員長たった一人で、六月までは会議未開催支部が七割を占めていましたが、まず非常勤の機関紙部長、機関紙部の体制をつくり、地区委員長を先頭に支部の援助に一つひとつ入れるようになり、十月はじめについに100%の支部が二中総決定を討議し、党勢拡大でも五割を超す支部が成果をあげるまでになっているとの報告でした。鹿児島地区では、支部会議を開けない支部が三、四割もある状態から出発して変化をつくっています。二中総をうけて、長期間会議を開いていない支部を一つひとつ訪問し、援助し、ここでも十月には100%の支部が決定を討議し、党勢拡大でも五割を超える支部が成果をあげ連続前進を続けています。

 支部会議の定例化とともに、複数の支部指導部の確立が、「支部が主役」の運動を推進する力となっていることも、これらの地区で共通した教訓であります。

「支部が主役」の配達・集金体制の確立・強化

 四つ目は、「支部が主役」の配達・集金体制の確立・強化への努力が、大きな力を発揮しているということです。この間、全国九カ所で県・地区の機関紙部長会議を開催し、「支部が主役」の配達・集金体制の確立・強化のための集中的な努力をはかってきました。この努力が、党活動全体に新鮮な活力をよびおこしています。

 昨年十二月の徳島県の大演説会成功の中心を担った徳島地区では、市内の地域支部で十九支部のうち十四支部まで「支部が主役」の配達・集金体制を確立して演説会をむかえましたが、この地域を担当している市議会議員からつぎのような感想を寄せられました。「今度の演説会はわが地域では過去最高の二倍の参加となりました。従来は私が中心だった。今回は『支部が主役』となり、機関紙の配達・集金も支部でとりくむようになったことで、支部と読者との結びつきが強まり、地域がよくみえるようになり、地域に責任をおって演説会を成功させようという意欲がおこりました」。こういううれしい感想でありますが、この地区では、改善を開始して以降、読者拡大でも前進をかちとっています。

 この問題で改善をかちとることは、議員・候補者や、党機関の活動家が、過重負担から解放され、選挙戦でその力を存分に発揮するうえでも不可欠であります。

自覚的支部づくりとむすんだ党勢拡大の推進

 五つ目は、こうした自覚的支部づくりの努力とむすんだ党勢拡大の独自の推進です。私たちは党大会以来、一貫して、「支部が主役」で自覚的に活動する支部づくりと党勢拡大の統一的推進に力を尽くしてきましたが、その前進の芽が各地に生まれています。このとりくみを選挙に向けて全党の運動に発展していくようにしたいと思います。

 大阪府の木津川南地区では、府議選の一人区、二人区の勝利という政治目標を全体の共通の自覚にし、「政策と計画」にもとづいて要求活動をはじめ、読者会を毎月開く支部を広げ、支部主催の演説会・懇談会を七割近くの支部がとりくむなど、実に多面的な活動にとりくみながら、この一年で28%の支部が合計百人の党員を迎え、読者拡大でも三カ月連続前進となり、あとわずかで大会現勢回復という到達点を築いています。

 宮城県の塩釜地区では、地区委員会総会で、二人区での県議回復、後半戦で十七人の全員当選のためには、「支部が主役」の選挙に徹することだと、時間をかけて討議し、この決意が支部に伝わりました。ほぼ全支部で「政策と計画」を作成し、要求実現の活動が活発になり、読者拡大で九カ月連続前進をかちとり大会水準を超えています。

 多面的な活動にとりくみながら、党勢拡大の独自の推進に執念を燃やしてとりくむ。これは党建設の前進をかちとる鉄則であります。

地区機関の活動改善と強化について

 第三に、地区機関の活動改善と強化についてのべます。こうした「支部が主役」の活動の発展の芽を花開かせ、全党の大勢にしていくうえで、党機関の役割はたいへん大きなものがあります。大会決定と二中総決定にこたえて、地区機関の活動改善と強化の新しい境地を開いている地区委員会が生まれています。

 この努力を、この中央委員会総会、それにつづく全国会議のなかでも大いにお互いに学びあいながら、選挙戦のなかでも大いに発展させ、「支部が主役」の壮大なたたかいをつくりあげていきたいと思います。

 全国の地区活動改善のとりくみから、私たちが教訓として学んだことを、こちらも五点ほど紹介したいと思います。

長期・短期の政治目標を明確にすることの重要性

 一つは、長期・短期の政治目標を明確にすることの重要性です。すなわち地区委員会が、新しい党綱領の実現という長期の展望とともに、直面する選挙戦の勝利という短期の目標の両面で、大志とロマンある政治目標を掲げ、みんなのものにする努力をおこなったところで、自覚的活動の大きな高まりがつくられています。

 京都府の乙訓地区では、衆議院の小選挙区でかつての寺前巌さん(元衆院議員)の議席を回復することを大目標にしつつ、当面定数二の府議選と参議院選挙で勝てる党づくりを目標にして活動にとりくんできています。とくに将来を展望して、若い世代に目を向けたとりくみに系統的にとりくんでいます。町議の議席占有率で全国トップの力で革新民主町政を実現した大山崎町の勝利は、この二年半で、青年党員・子育て世代の党員の倍加をかちとったことが、大きな勝因の一つとなりました。長期・短期の政治目標がしっかりすえられています。

支部をはげます機関の政治活動にとりくむ

 二つ目は、支部を励ます党機関としての独自の政治活動にとりくんでいることです。地区委員会自身が、総合計画にもとづき、地域の政治問題や要求をとりあげ、アンケート活動、対自治体交渉、シンポジウムなどの積極的イニシアチブを発揮することが、「支部が主役」の活動を励ましています。

 北海道・十勝地区からは、「この地域で党を代表して活動する」ことを重視してきたことが、「支部が主役」の活動の大きな発展を促進しているとの報告が寄せられました。「核武装論議」の発言をした地元選出の自民党政調会長を批判して、「非核自治体宣言」をおこなっている各議会の決議に反すると各自治体への申し入れをおこないました。「食と農のつどい」、「いじめ問題・教育基本法を守れ」シンポなどなどさまざまな活動にもとりくみ、これらは地元メディアがそれぞれ大きく報道し、そのことが支部の活動を激励しています。

全支部を視野に入れた双方向・循環型の活動

 三つ目は、全支部を視野に入れた双方向・循環型の活動ということです。すすんだ地区委員会では例外なく、「知恵は現場にある」という立場で、支部に学び、よい経験を広げることを、指導と援助のカナメにすえています。

 東京都・北多摩北部地区では、支部から喜ばれる方向での機関活動の改善を重ねている地区委員会の一つですが、なかでも私たちがこれはすばらしいと思ったのは、支部の「政策と計画」にもとづく実践の交流会議を毎月もっているわけですが、そこで四人から五人が発言し、これを繰り返すことで、地区の四割近い三十六支部の活動経験を紹介し、これが地区全体のものになっているということです。この会議を成功させるために、会議の運営も報告を短くし、発言時間をたっぷりとるなど思い切った改善をはかっています。こういう姿勢が、地区と支部の心を通わせ、選挙勝利に向けたあらゆる活動の総合的前進につながっています。

時間をとった機関での討議・意思統一が大切

 四つ目は、時間をとった党機関での決定の討議と意思統一が大切だということです。とくに強調したいのは、地区委員会総会での活発な討議と、深い意思統一が、地区党組織全体の水準を決めるということです。地区委員会総会を思い切って日曜日に一日かけて開催し、時間をとって政治討議、具体化をしっかりおこなっている地区委員会では、決定が地区委員全員の血肉になり、支部に足を運び、前向きの変化をつくっています。

 たいへん印象的に私たちが報告を聞いたのは、長野県・佐久地区では、長い間、地区委員会は夜の二時間程度でやっていたそうです。しかしそれを切り替えて、十月から日曜日におこなって時間をとるようにしたとのことでした。時間をとった学習をおこない、政治討議をおこない、地区内の現状をだしあって本音をぶつけあい、活動の具体化をはかったとのことでした。この努力のなかで、地区委員が手分けして支部に出かけ、目にみえる変化がつくられました。支部会議未開催支部は半分に減り、読者拡大の成果支部を二、三割増やし、連続後退から連続前進へ大きな変化が生まれています。

 地区委員会総会を思い切って時間をとってやる。これは、遠回りにみえても地区委員みんなの本当に深いところからの自覚を引き出し、元気を引き出し、わずかな期間での活動の変化につながっている。たいへん教訓的であります。

持てる力をくみつくし、機関体制の強化を

 五つ目は、持てる力をくみつくし、支部を援助する機関体制の強化をはかることです。大会決定を受けて、地区機関の体制の確立では、視野を広げて、退職した党員をはじめ非常勤の党員を結集して、補助指導機関、職場援助委員会、地区の専門部体制の確立がすすみました。

 私たちが注目しているのは、このことで、党生活確立の三原則――日刊紙を読む、会議に出る、党費を納める、この三つの原則を、いついかなるときでもにぎってはなさず前進させる新しい条件がつくられつつあることです。選挙本番になればなるほど、これらの党生活の基本を崩さず、強めていく努力をはかることが、選挙にたちあがる党員を広げ、選挙に勝利する何よりの力となります。

党機関としてとりくむ選挙独自の仕事、それを保障する指導体制について

 以上、「支部が主役」の選挙戦についてのべてきましたが、それにつづいて党機関としてとりくむ選挙独自の仕事とそれを保障する指導体制についてのべておきたいと思います。

 選挙戦の勝利というのは、個々の支部や候補者、個別選対の努力だけでえられるものではありません。党機関が、「支部が主役」の選挙戦にすべての支部がたちあがるための指導とともに、党機関として選挙勝利のために独自にとりくむ仕事をやりきる――この二重の責任を果たしてこそ、選挙勝利は可能になります。

 第一は、それぞれの自治体での政策的争点を明らかにし、党と候補者の役割を押し出し、事実に即して他党批判と反共攻撃への反撃をおこなうこと。すなわち政治論戦のうえでの責任を果たすことです。

 第二は、選挙戦の節目ごとに情勢判断の「四つの基準」にもとづき、選挙情勢を集団的に正確に判断し、勝利のために必要な手立てをとり、党と後援会に徹底することです。

 第三は、候補者にたいして、演説をはじめ政治的援助、活動上の悩みの解決、心をこめた候補者押し上げの宣伝物づくりなどをおこない、親身の援助をおこなうことです。

 第四は、各分野の国民的運動が大きく前進しているもとで、労働者、女性、業者、農業・農民、医療、宗教者、学者・文化人、青年学生など分野別後援会を強め、ともに活動することです。

 第五は、党員の党費納入の向上を土台に、広く募金活動にとりくみ、財政面からも国民と草の根で結びつき、国民に依拠したたたかいを展開することであります。

 この五つの活動というのは、党機関として独自に責任をもって勝利のためにやらなければならない活動です。それをやるうえでは、(1)県・地区の指導機関は、選挙戦のなかでも、機関としての必要な集団的な指導体制は絶対に崩さないこと、(2)個別選対など選挙に必要な体制は、非常勤の党員の力を結集してつくりあげること――この二つの原則をにぎって、具体化をはかることが大切であります。

若い世代への働きかけを思い切って重視し、若い力が輝く選挙に

 報告の最後に、若い世代への働きかけを思い切って重視し、若い力が輝く選挙にしようということを訴えたいと思います。

 いま若い世代は、人間をモノ扱いする非正規雇用、成果主義賃金、長時間労働、就職難、高学費など、自民党政治の害悪を集中的に受けており、この現状の打開は、日本社会の現在と未来にとっての大問題となっています。無党派層が圧倒的に多い若い世代への働きかけは、選挙勝利のうえでも、重要なカギをにぎっています。

 二つの全国選挙の全体を通じて、党機関と党支部は、全党の知恵と力をくみつくして、若い世代への働きかけを思い切って重視し、青年支部・学生支部、民主青年同盟、「日本共産党といっしょに日本をかえるネットワーク」など、若い力が輝く選挙戦にしていこうではありませんか。そして、選挙戦のたたかいを通じて、これらの組織の拡大・強化のために独自の努力をはかることを訴えたいと思います。

 いっせい地方選挙は、大学や職場に、新入生・新入職員をむかえる時期と重なります。どんな条件のもとでも、この時期に青年学生を党や民青同盟にむかえる独自の努力を絶対に中断せず、強めることもあわせて訴えるものであります。

むすびに――党大会後の努力のすべてを選挙勝利に実らせよう

 党大会から一年たちました。わが党は、決定に導かれ、さまざまな分野で党活動の新しい探求と努力をはかってきました。

 教育基本法改悪に反対する国民的たたかいの発展、人間らしい労働のルールをつくるたたかいの前進、憲法闘争の発展、基地闘争の発展をはじめ、各分野での国民運動が新しい前進を開始し、革新懇運動という統一戦線の本流も新しい活力をえて前進をかちとりつつあります。

 党づくりでは、私たちは「支部が主役」の活動を揺るがず一貫して追求し、とくに「職場講座」によって、この分野でも新しい前進が開始されました。わが党の未来を展望して「特別党学校」にもとりくみ、そのことが党の知的活力の高まりに結びついています。

 野党外交でも、韓国・パキスタン訪問など、これまでの到達点をさらに質的に発展させる重要な成果をおさめ、この成果が党の綱領や歴史への確信をよびおこしています。

 いっせい地方選挙の投票日まで三カ月、参議院選挙まで半年。この一年間、みんなの力でつくってきた党活動の新たな発展、新たな成果を、全党の確信とし、それらをすべて二つの選挙勝利に結実させるたたかいをすすめようではありませんか。

 以上で幹部会を代表しての報告を終わります。(拍手)


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