2007年1月6日(土)「しんぶん赤旗」
イスラエル軍 侵攻
ヨルダン川西岸 4人を殺害
【カイロ=松本眞志】イスラエル軍は四日、パレスチナ武装勢力の摘発を目的にヘリコプター、装甲車、ブルドーザーなどでヨルダン川西岸の都市ラマラに侵攻しました。
市の中心部にまで侵入したイスラエル軍に対して、若者らが投石などによって抵抗。これまでにパレスチナ人四人が死亡し、二十人以上が負傷しました。
パレスチナ武装組織アルアクサ殉教者旅団の幹部の一人は、同組織のメンバー逮捕のために今回の作戦が実施されたと語りました。イスラエル軍報道官は、今回の軍事行動で指名手配中のパレスチナ武装組織のメンバー四人を逮捕したと述べています。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、軍事行動がイスラエル・パレスチナ間の和平プロセス再開の努力を危険にさらすと警告し、「イスラエルが平和と治安を求めていることが偽りであることを示すものだ」と強く非難。「パレスチナ人民は国際社会、国連、(米、ロ、国連、欧州連合による)中東和平四者協議に、恒久的な和平の確立を破壊するイスラエルの侵略を抑止するよう呼びかける」と訴えました。
エジプトのムバラク大統領との会談のために、同国を訪れていたイスラエルのオルメルト首相は「イスラエルは治安強化のために軍事行動をとる義務がある」と弁明しました。
パレスチナ治安当局は、この日、ベツレヘム郊外のドーハにもイスラエル軍が侵攻したと報じています。
イスラエルとパレスチナは十一月にガザ地区で停戦に合意しましたが、ヨルダン川西岸では軍事行動が継続してきました。