2007年1月5日(金)「しんぶん赤旗」
国政でも地方政治でも共産党の前進こそが政治変える
日本共産党第3回中央委員会総会開く
2大選挙勝利へ年初から意気高く
志位委員長が報告・結語
日本共産党は四日、党本部で第三回中央委員会総会を開きました。いっせい地方選挙、参院選挙勝利へ全党が心を一つにスタートダッシュをと、開いたもので、正月早々の全国会議は党史上初めて。志位和夫委員長が、(1)内外情勢の進展と日本共産党の役割(2)地方政治の新たな特徴と、政治的対決の中心点(3)「支部が主役」で選挙戦に必ず勝利を――を主題に幹部会報告を行いました。総会には五、六両日に開かれる全国都道府県委員長・地区委員長会議の参加者も傍聴し、幹部会報告は全国にCS通信で中継されました。
|
志位委員長は、内外情勢について、昨年の党大会で全面的に分析・告発した「自民党政治の三つの異常な特質」――過去の戦争への無反省、対米従属、大企業中心主義の異常が、どの分野でもゆきづまりと矛盾を深め、ほころびや破たんが生まれ、「政治の流れの変化」がおこっていることを、日本共産党のたたかいに言及しながら概括し、さらに情勢を前に進める活動を提起しました。
歴史認識の問題では、安倍首相が「村山談話」と「河野談話」を継承すると公式に明言したが、「これは問題の解決ではない」として、(1)自らの言明を行動で裏切ってはならない(2)日中、日韓首脳会談で合意された歴史認識の基本を共有する仕事に真剣にとりくむ――ことを要求。また、安倍内閣が在任中の憲法改定を宣言するという危険な動きを直視しつつ、それが「平和を希求する国民との矛盾」を広げ、「二十一世紀の世界の流れと逆行」することを明らかにしました。
そのうえで、二つの全国的選挙にのぞむ政治的構えとして、(1)自民党政治の平和と暮らしを壊す悪政に正面から立ち向かう力をのばす選挙(2)「二大政党づくり」の動きを本格的に押し返し、自民党政治を大本から変える力をのばす選挙―の二点を強調。いまの政党状況の特徴を解き明かしました。
いまの民主党をどうみるかが重要だとして、同党が二〇〇三年十月の自由党との合併を契機に、改憲、消費税増税、選挙制度改悪など、自民党政治と同じ流れに合流し、財界からもアメリカからも信頼される「もう一つの保守政党」へと変質をとげたことを想起しつつ、その後の民主党の問題点について詳しく解き明かしました。
日本共産党は当時、この変質が財界主導で進められたことを告発し、「日本の政党地図に大きな変化が起きた」と指摘しましたが、この三年余の動きは、その指摘を裏付けました。志位氏は、この三年余の民主党の軌跡を事実にもとづいて明らかにしながら、「今日の民主党は、自民党政治の『三つの異常』を共有する党であり、政治の基本でどちらかが『よりまし』とはいえない」と強調。二つの全国的政治戦の最大の焦点は、どんな問題でも国民の利益にたち、自民党政治を大本から改革するたしかな立場をもつ、日本共産党がのびるかどうかにあると訴えました。
地方政治での政党対決の構図は、自公民「オール与党」対日本共産党が基本であり、政治的対決としては、(1)「住民福祉の機関」としての自治体をまもるのか、投げ捨てるのか(2)大企業の「呼び込み」と巨額補助金―新しい形での「逆立ち」政治の是非(3)税金を食い物にした不正・腐敗(4)国による地方自治体と地域社会の破壊から住民と地域を守る―ことが争点として問われていると強調。日本共産党地方議員団のかけがえのない値打ちを示しました。
選挙戦の政治的構えについて、(1)選挙戦の激しさと厳しさを直視し、どの党にもまけない政治的構えを確立してのぞむ(2)自治体再編などにともなう新しい条件にそくした攻勢的なとりくみ(3)いっせい地方選挙と参院選挙との関係、の三点から明らかにしました。
この激戦に勝ち抜くためにいっせい地方選挙・前半戦投票日一カ月前の三月八日までにやりきるべき課題として、「選挙戦の勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動をやりきる」「すべての都道府県、地区委員会、支部が『しんぶん赤旗』の日刊紙でも日曜版でも、少なくとも前回のいっせい地方選挙時を上回る陣地を築く。すべての支部が一人以上の新しい党員を迎えて、意気高く選挙戦をたたかう」ことを提案。これらをやりとげるためには、「支部が主役」の選挙戦へ発展させることが最大の保障になると強調。この一年間の探求と努力を踏まえて、支部、党機関の活動の教訓、改善点などを示し、「この一年の党活動の新たな発展、新たな成果を全党の確信とし、それらをすべて二つの選挙勝利に結実させるたたかいをすすめよう」とよびかけました。
討論では十八人が発言し、志位委員長が結語を行いました。三中総は幹部会報告と結語を全員一致で採択しました。
大会以来の努力を実らせ選挙勝利を
志位委員長が結語
第三回中央委員会総会で結語にたった志位和夫委員長は「討論でも、全国から寄せられた感想でも、勝利への決意がみなぎる総会になった」とし、二点にしぼってまとめをおこないました。
第一に、いっせい地方選、参院選にむけた政党配置、そのもとでの日本共産党が果たしている役割の解明が積極的にうけとめられたが、これは三中総の提起の一つの要だとのべました。
安倍首相が四日の記者会見で「憲法改定を安倍内閣で実現したい。参議院選挙での争点としたい」とのべたことを指摘した志位氏は、「この問題一つみても、民主党は対抗の足場をもてない。自民党政治、自民・公明と民主による共同の悪政に、正面からたちむかえる政党は日本共産党だということがいよいよ明りょうになっている」と強調。地方政治でも、討論を通じて、自公民「オール与党」対日本共産党の対比が全国の生々しい事実で裏付けられたとのべました。
民主党をどうみるかでは、実態が明りょうになると同時に、「国民の認識との間には大きなギャップがある」と提起しました。そのさい、(1)日本共産党の議席の値打ちを正面から押し出す(2)結論をおしつけるのではなく、事実を知らせるという情報提供型が大切―の二点に留意してとりくむことの重要性を指摘。「自民党政治の害悪がいよいよ深刻になるもとで、国民のなかでわらをもつかむ思いで、民主党に期待をよせようという動きも起こりうる。そうした国民にも理解を得る方法でとりくむ。なによりも日本共産党の支持を増やすことが大事です」と訴えました。
志位氏は第二に、いっせい地方選前半戦投票日の一カ月前の三月八日までにやるべき二つの課題の提起が積極的に受け止められ、「力をつくせばやりぬける」ということが討論で浮き彫りになったとのべました。
課題達成の可能性の根拠として、自民党政治の「三つの異常」と国民の矛盾がどの分野でも深まり、どの分野でも現状打開を願う国民のエネルギーが発揮され、その中で日本共産党の値打ちが際立っていることをあげました。
この一年間、「支部が主役」の活動が豊かに広がり、党の新たな発展の芽がたくさん生まれていること、選挙勝利を正面にすえて草の根からの選挙勝利、党勢拡大のとりくみを本格的にすすめる活動が開始されていることを具体的に指摘。「今度こそこの努力を実らせて選挙勝利に結びつけよう。この一月から前進のうねりを大きくおこそう」と呼びかけました。