2007年1月3日(水)「しんぶん赤旗」
労働のルール破壊許さず貧困打開のとりくみを
CS番組 07年の展望 志位委員長が発言
日本共産党の志位和夫委員長は一日放映のCS番組朝日ニュースター「各党はいま―新春スペシャル」に出演し、二〇〇七年の展望などについて星浩朝日新聞編集委員のインタビューに答えました。
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06年を振り返って
―昨年の政治を振り返ってどんな年でしたか。
志位 私たちは昨年の党大会で、自民党政治が(1)侵略戦争への無反省(2)アメリカいいなり(3)財界中心主義―という三つの異常を抱えていると提起して、これを打開する改革を主張してきました。
ふりかえるとそれぞれの異常がいよいよ行き詰まり、ほころびも生まれ、政治の流れの新しい変化が起きています。
侵略戦争への無反省という問題では、小泉前首相のように「靖国神社に絶対に参拝します」という対応は続けられなくなりました。態度があいまいで解決はこれからですが、ともかく日中、日韓首脳会談が再開され、一定の変化が出ました。
他方、アメリカいいなりという面では事態はいよいよ悪くなったと思います。憲法改定を正面に掲げ、教育基本法改悪を押し通すという安倍首相の危険な流れが前面に出てきました。
しかし世界を見ると、イラク戦争が大失敗して軍事的対応ではうまくいかない、北朝鮮問題も外交的・平和的に解決しようという流れが出ています。それと逆の軍事優先主義が台頭する矛盾は深いものがあります。
財界との関係では、社会的格差とともに、「ワーキングプア」という言葉に象徴される貧困問題が多くの国民の共通の不安になっています。自民党政治がどこでも行き詰まり、新しい政治が求められていることがはっきりした一年でした。
労働法制大改悪は許さない
―通常国会では労働法制にどう対応しますか。
志位 私たちは労働法制の大改悪に反対する国民的大運動にとりくみ、かりに法案が提起されれば、国会でも大論戦したいと思っています。「ホワイトカラーエグゼンプション」といって一般のサラリーマンの方の残業代を取り上げる、とんでもない大改悪ですね。
私たちは、「サービス残業」とよばれるただ働きが横行していることを取り上げ、是正させる通達を出させてきましたが、なかなかなくならない。しかし、不払い残業代をかなり払わせてきました。
この「サービス残業」を強引にやりたいというのが「ホワイトカラーエグゼンプション」ですから、“サラリーマンよ立ち上がれ”と。もう黙っているわけにはいかないと。私たちも運動しますし、労働組合のみなさんとも協力して大闘争にしたいと思っています。
地方選、参院選勝利へ
―参院選のとりくみと目標について。
志位 参院選では比例代表で六百五十万票以上、五議席を必ず確保したい。東京で確実に議席を確保し、埼玉、神奈川、愛知、兵庫、大阪、京都の回復区でも勝利をめざして全力をあげます。
参院選で前進を勝ち取るうえでも、いっせい地方選でまずどういう流れをつくるかが大事です。多くの場合、地方政治では文字通りの共産党以外の「オール与党」になっています。自公民「オール与党」対共産党という構図が非常にはっきりしていますから、まずこの第一関門をこじあけ、つづいて参院選で必ず勝ちたいと決意しています。